研究課題/領域番号 |
20K15007
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
今野 明咲香 常葉大学, 社会環境学部, 講師 (30802623)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 地理情報システム / 活断層 / 地震断層 / 離隔距離 / 土地利用規制 / 地表地震断層 |
研究開始時の研究の概要 |
活断層の位置を正確に把握することは,地震の規模推定や防災面で地表地震断層(以下,地震断層)の出現位置を明らかにする上で重要である。しかしながら,予測された活断層と実際に出現した地震断層の位置がずれることは古くから指摘されているものの手法的な限界があり,その要因については詳細に検討されていない。本研究では高精度な測量が可能なRTK-GNSS測量と地理情報システム(GIS)を組み合わせることで活断層と地震断層の離隔距離を定量的に把握し,両者の離隔要因を位置精度という技術的要因と地形や地質等の自然科学的要因の両側面から検討する。本研究の成果は活断層近傍の土地利用規制帯の適切な範囲の設定に貢献できる。
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研究実績の概要 |
本研究は,地形から予測された活断層と実際に出現した地震断層の位置が離隔する要因を明らかにすることを目的に,高精度な測量が可能なGNSS測量と地理情報システム(GIS)を用いて,活断層と地震断層の離隔距離を定量的に把握し,離隔要因について検討することを目的としている。2023年度は全期間を通して育休を取得したため,研究費の支出および研究の進展はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は全期間を通して育休を取得したため,研究を十分に推進することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で予定していた内容は,①活断層と地震断層の離隔距離の定量的比較,②技術的要因によるずれの検討,③自然科学的要因によるずれの検討,④研究成果の統合および公表,の4段階に分けられる。まず,①推定された活断層と実際に出現した地震断層の離隔距離を定量的に把握することを目的に,活断層からどれだけ離れた位置に地震断層が出現したのかをGISによる検討を実施する。この分析には地震前に活断層の位置が認定されており,かつ地震発生後に地震断層の位置が詳細に調査されている必要がある。また後述するように,断層のずれ方の違い(縦ずれ・横ずれ)によっても離隔距離が変わるため,異なる変位センスの断層を対象とする必要がある。この条件を満たすのは,2016年熊本地震と2014年長野県北部地震の2事例のみであり,初年度に熊本地震の分析について完了している。次に,②技術的要因によるずれの検討である。地震断層に起因する要因の1つであるGPSの観測精度のよるずれに関して,実施した現地調査のデータを使用して既存文献で得られていた活断層線との離隔距離から,技術的要因によるずれ幅を検討する。これについてはコロナウィルスの感染が落ち着いていた2021年度末に現地調査を実施し,現地調査の測量データが得られている。したがって,育休復帰後にこれらの分析に着手する予定である。③自然科学的要因によるずれの検討については,浸蝕による崖の後退など地形変化による判読のずれ,地形や軟弱な地盤(地質)の影響による出現位置のずれ,断層の変位センスの違い(縦ずれ・横ずれ等)が要因として考えられる。これらに関してはすでに①にて定量的分析を終えており,また後者の2要因については検討するためのデータ整備として,地質図や変位センスのデジタル化が完了しているため,復帰後に円滑に分析を進めることができる。
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