研究課題/領域番号 |
20K15014
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関 岳人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (90848558)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 走査透過電子顕微鏡 / 微分位相コントラスト / 走査透過型電子顕微鏡 / STEM / DPC |
研究開始時の研究の概要 |
走査透過型電子顕微鏡は細く絞った電子線を試料上で走査し、透過した電子線を多様な検出器を用いて試料中のさまざまな情報を高分解能で得ることができる手法である。特に、微分位相コントラスト(DPC)法は試料内の電磁場を可視化できる手法であり、近年注目を集めている。電子線を原子よりも細く絞ることによって、原子核と電子雲が作る電場も計測することができ、原理的には原子のまわりの電子密度分布を実験的に可視化することができる。本研究では、試料内の電場を高精度で定量する方法を開発し、原子スケールでの電荷密度結像を行うことである。本目的が達成されると、局所領域での化学結合状態を観察できると期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、原子スケールでの電磁場観察を行える微分位相コントラスト法をシミュレーション手法と組み合わせることで化学結合電子の可視化手法の開発を行った。微分位相コントラスト法の結像理論を構築し、実験データを再現する電子分布を反復シミュレーションにより求めるアルゴリズムを開発した。ノイズのないシミュレーションデータをテストデータとしてアルゴリズムの検証を行い、実際の実験データにも適用を行った。今後局所領域における化学結合の可視化への応用が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
材料の特性は、しばしば界面などの局所領域において発現する。走査透過電子顕微鏡法はこれまで局所領域における原子配列の観察に用いられてきたが、触媒や電気物性などの材料物性は、原子配列のみならず電子の分布に依存するため、電子分布を明らかにする手法開発が求められてきた。本研究で開発した手法を用いて局所領域の電子分布を明らかにすることで、材料研究が加速すると期待される。
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