研究課題/領域番号 |
20K15015
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江草 大佑 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80815944)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | アルミニウム / 6000系合金 / 時効析出 / クラスター / STEM |
研究開始時の研究の概要 |
自動車材などに用いられるAl-Mg-Si合金は低温・短時間の熱処理(時効硬化)により強度が向上する。時効硬化挙動の制御には時効析出物の前駆段階に相当するナノクラスターの制御が重要であるが、その詳細は明らかとなっていない。本研究では、準安定時効析出物に含まれる構造ゆらぎからナノクラスターの構造を推定するとともに、収差補正STEM法およびSTEM像シミュレーションによりマトリックス中に埋め込まれたナノクラスターの直接観察を試みる。得られた結果をもとに時効に伴うナノクラスターの状態変化を明らかとし、Al合金における時効挙動の本質的な理解に資する。
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研究成果の概要 |
自動車材等への適用が近年拡大している6000系アルミニウム(Al)合金は、Alに微量のMgおよびSiを添加した合金であり、低温・短時間の塗装焼付処理による時効硬化挙動の制御が重要である。特にMg/Si元素の短距離秩序(溶質SRO)としてあらわされるナノクラスターは時効挙動に強く影響すると考えられているが、その詳細は明らかとなっていない。本研究では、6000系Al合金で形成される多様な時効析出物の構造が溶質SROと格子欠陥の組合せとして理解できることに着目し、ナノクラスターの構造解析を行い、6000系Al合金における時効挙動の本質的な理解に資する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
持続可能な開発目標(SDGs)の一環として、エネルギー利用の効率化に対する社会的要請は強くなっている。特に、アルミニウム(Al)合金を始めとした軽金属材料の適用による輸送機器向け構造部材の軽量化は効果的であり、世界的に広く取り組まれている。特に6000系Al合金は優れた特性および実用性の高さにより現在広く使われているが、特性発現の鍵となる析出強化現象の詳細は明らかとなっておらず、実用に際しての熱処理条件等は経験的に定められている。本検討では、6000系合金における析出相およびその前駆状態を原子スケールで解析し、時効析出に伴う強化発現メカニズムの詳細を明らかとすることを目的としている。
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