研究課題/領域番号 |
20K15019
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
気谷 卓 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (30771828)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 磁気フラストレーション / ハイパーカゴメ格子 / トポケミカル反応 / イオン交換 / 磁性 / 熱容量 / スピンフラストレーション / ハイパーカゴメ反強磁性体 / 熱測定 |
研究開始時の研究の概要 |
三角形が頂点共有した構造であるハイパーカゴメ格子は強い磁気フラストレーションを生じる格子形として興味を持たれているが,実際にその格子をもつ反強磁性体はほとんど存在しない。本研究ではトポケミカル反応を様々な物質に適用することで多様なハイパーカゴメ反強磁性体を創出していき,ハイパーカゴメ反強磁性体においてどのような磁気秩序が実現するのかを系統的に解明していくことを目指す。また,ハイパーカゴメ格子は空間反転対称性が破れているため,磁気秩序に伴う時間反転対称性の破れと合わせて新奇電気磁気効果の発現の可能性を探索する。
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研究成果の概要 |
本研究は三角形が頂点共有した3次元ネットワーク構造であるハイパーカゴメ格子を有する反強磁性体の創出をトポケミカル反応を利用して目指し、得られた化合物において磁気フラストレーションや反転対称性の破れに基づく新しい物理現象の発現を探った。これまでの研究から反強磁性相転移を示すいくつかの新しいハイパーカゴメ反強磁性体の合成に成功した。期待していた新奇電気磁気効果は見つけられなかったものの、反強磁性相での熱容量の温度依存性が3次元格子であるにも関わらず温度の2乗に比例する特異な現象がいずれの化合物においても見つかり、ハイパーカゴメ反強磁性体では2次元的なマグノン分散が生じている可能性を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ハイパーカゴメ格子をもつ反強磁性体という自然には存在しない化合物をトポケミカル反応によって創出することができたことから、同じようにして準安定なフラストレート磁性体をトポケミカル反応を用いて物質開拓を進めることができる道筋を示せた意義は大きい。今回合成した物質では反強磁性相において時間反転対称性の破れは見られなかったことから新奇電気磁気効果は見つけられなかったが、今後さらなる物質開拓により応用的に有用な物性の発見も継続的に目指していく。
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