研究課題/領域番号 |
20K15039
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
上野 慎太郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40647062)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ナノ結晶 / 誘電材料 / 形態制御 / ソルボサーマル法 / 複合材料 / コア-シェル構造 / 誘電体 / 水熱法 / 界面構造制御 / 溶液プロセス |
研究開始時の研究の概要 |
高度センシング・超高速大容量通信社会の未来に貢献可能な大容量セラミックコンデンサ材料を開発するために、2種類の誘電体ナノ結晶が方位を揃えて接合することで生じる歪んだ界面構造を効率的に利用することを提案する。本提案では、立方体形状の誘電体ナノ粒子であるナノキューブに予め歪んだ界面構造を導入しておき、この結晶を規則構造を有する膜上で向きを揃えて堆積させることで、コンデンサとしての高性能・高信頼性を両立できる緻密な複合セラミックス材料を作製する。またセラミックス試料を用いることで、界面構造や電気特性の評価がより精確に行えるため、次世代の誘電材料開発のために最適な界面構造の提案に繋がると考えている。
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研究成果の概要 |
大容量複合誘電体セラミックスの構成要素であるBaTiO3 (core)-KNbO3 (shell)複合ナノキューブ粒子は、"濃厚溶液系"での合成により得られる均一な非修飾BaTiO3ナノキューブに対し、KNbO3 shell層をエピタキシャルに液相成長させ調製した。オパール構造膜による集積では一部で配向したナノキューブが観察されたが、凝集が課題となったため、相分離を利用した集積法を確立し、相対密度が75%以上の集積体を得ることに成功した。またBaTiO3-KNbO3複合ナノキューブ集積体は、BaTiO3ナノキューブ単独の集積体に比べ2倍以上の比誘電率を示すことも明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当該研究課題は新規大容量セラミックキャパシタ材料を開発することであり、既存の高比誘電率材料がエピタキシャル界面を介して接合したBaTiO3 (core)-KNbO3 (shell)複合ナノキューブの合成法を実現し、そのエピタキシャル界面で高い誘電特性が発現することを明らかにした。また新たに確立した相分離による集積法は、これまでにない高い相対密度の集積体の作製を可能とし、常温下で緻密なセラミックスの作製に繋がる成果が得られた。もしこの低温緻密化技術が発展すれば、セラミックス産業における大規模な省エネルギー化や低炭素化に貢献できるものと考える。
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