研究課題/領域番号 |
20K15046
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
篠原 百合 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (30755864)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | マルテンサイト / 鉄鋼材料 / バリアント結合則 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では鉄合金のバリアント結合則(以下,結合則)を明らかにするために,Rank-1接続条件を軸としてバリアントペアの優先度を予測する手法を確立する.申請者は,本条件より導かれるバリアント/バリアント結合面のねじれの大きさを軸にして,他の因子との複合効果を考慮することにより,バリアントペアの形成優先度を定量的に予測可能であると着想した. 薄板状マルテンサイトにおける自己緩和組織の結合則について,二次元解析+シリアルセクショニング法による三次元解析を行うことで仮説を検証する.二次元解析により母相の方位回転の解析,三次元解析により,核生成サイトの判別と結合面積を用いた優先度の定量測定が可能である.
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研究実績の概要 |
本課題では鉄合金のバリアント結合則(以下,結合則)を明らかにするために,変形の連続条件(rank-1接続)を軸としてバリアントペアの形成優先度を予測する手法を確立する.前年度は,薄板状マルテンサイトが形成するFe-Ni-C合金について,旧γ粒内におけるバリアント結合則の二次元解析を行った.その結果,rank-1接続から導かれるバリアント/バリアント結合面におけるミスフィット(不変面条件からの偏差)が小さなペアが優先的に形成されることが明らかとなった.また,粒内のバリアントペアに対してシリアルセクショニングを行った. 本年度は,同合金について旧γ粒界に生じるバリアントペアのシリアルセクショニングと,シリアルセクショニング像から三次元像を構築するための準備を行った.シリアルセクショニングの条件は観察領域: 30μm×30μm,ステップ: 0.15μmで,約400枚のEBSD像を取得した. 二次元断面像から三次元像を構築する際には,二次元断面像内で各バリアントに対応する領域の塗分け(セグメンテーション)が必要である.前年度に作成した解析支援プログラムおよび,バリアントの晶癖面トレースと結晶方位データからセグメンテーションを試みたが,セクショニング(FIB加工)の際に生じたノイズにより一部の領域のセグメンテーションが困難であった.現在,画像処理によるノイズの低減と前後のスライスおよび周囲のデータからトレースを推定することでセグメンテーションを試みている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
申請者は本年度産前産後および育児休業を取得しており,その間研究を休止していたため,当初の研究計画より遅れている.補助事業期間延長を申請しており,研究期間の延長によって研究の遅れを取り戻す予定である.
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今後の研究の推進方策 |
引き続きシリアルセクショニング像の三次元構築を予定している.バリアントペアの三次元構造や,バリアント/バリアント結合面の面積と結合面のミスフィットの関係を明らかにすることを試みる.
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