研究課題/領域番号 |
20K15049
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奥川 将行 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (70847160)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | アモルファスSi-Ge合金 / 結晶化 / アモルファス構造解析 / 分子動力学シミュレーション / 気相堆積法 / 構造緩和 / アモルファス / シリコンゲルマニウム / 構造解析 / アモルファスSiGe / 構造モデル作成 |
研究開始時の研究の概要 |
半導体薄膜材料に用いられる多結晶Si,GeおよびSiGe合金薄膜は,アモルファスの結晶化により作製されるが,応用拡大のためにより低温で結晶化させることが求められている.これまでにアモルファス構造中の1から2 nmの結晶性クラスターを利用すると,Geでは500℃,SiGe合金では400℃で結晶化することを見出した.だが,SiGeがGeよりも結晶化温度が低下することは,従来の理論では説明できない.メカニズム解明のために,実験と同じ気相法によって作製したモデルが求められる.本研究では,アモルファスSiGe合金モデルを気相法シミュレーションによって作成し,その低温結晶化メカニズム解明を目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究では,アモルファスSi-Ge合金での低温結晶化メカニズム解明のために,分子動力学気相堆積シミュレーションによってアモルファスSi-Ge合金薄膜モデルを作製し,加熱構造緩和を調べた.作製したアモルファスモデルの構造緩和挙動は堆積時のアモルファス構造に大きく依存することが示唆された.これまでに,実験において結晶化温度がSi濃度に対して非単調に変化することを見出している[Okugawa et al., J. Appl. Phys. (2020)].このような特異な結晶化挙動は,堆積薄膜に形成される結晶性クラスターの安定性の組成に対する非単調な変化によって起こっていると理解される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アモルファス薄膜の結晶化により作製される多結晶SiGe合金は,薄膜半導体材料として用いられている.アモルファスを低温で結晶化させることができれば活用範囲が広がるため,これまでに国内外の研究者が結晶化方法に工夫を凝らして低温での結晶化を試みてきた.この課題への新しい切り口として,研究代表者が明らかとしてきた結晶化前の原子配列の違いを利用して低温で結晶化させる知見が注目されている.本研究により,アモルファス中の結晶性クラスターを安定化させることが,より低温で結晶化させるために重要であることが示唆された.本知見を応用することで,さらに低い温度で結晶化するプロセスの創成が期待される.
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