研究課題/領域番号 |
20K15052
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2022) 慶應義塾大学 (2020) |
研究代表者 |
黒川 成貴 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特別研究員 (50837333)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | バイオマス / エラストマー / 水素結合 / 熱可塑性 / 力学特性 / 高分子 / 再生可能資源 / 生分解性 / 粘弾性 / 自己組織化 / 開環重合 |
研究開始時の研究の概要 |
高分子材料は工業から医療に至るまで幅広く利用されている一方,その原料は石油に依存しているために,地球温暖化などの環境問題の原因となっている.エラストマーやプラスチックなどの高分子材料の利用に伴う環境問題への対策として,植物などの再生可能資源を原料とし,かつ生分解性を有する高分子材料(バイオマスポリマー)が注目を集め始めている.本研究は,再生可能資源であるリグニンを原料として合成可能な液状高分子であるPoly(4-methyl caprolactone) (PMCL) を水素結合の導入により固形化し,石油由来の汎用エラストマーに匹敵するバイオマスエラストマーを開発することを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究では,バイオマス由来の液状高分子であるPoly(4-methyl caprolactone) (PMCL) の分子鎖間に水素結合を導入することで,PMCLの固形化とバイオマスエラストマーとしての利用を可能とした.両末端に水酸基を有するPMCLをプレポリマーとし,これをDiisocyanateを用いて連結することで水素結合を発現するウレタン基を導入でき,PMCLを固形化したPMCL-PUの開発を達成した.このとき,PMCLプレポリマーの分子量変化によるPMCL-PU内の水素結合量の制御,およびDiisocyanateの種類を変更することでPMCL-PUを高強度化できることを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
汎用的な高分子材料の原料は石油に依存し,地球温暖化等の環境問題の原因となっている.この対策として,再生可能資源を原料とし,生分解性を有する高分子(バイオマスポリマー)が注目される.植物からパルプを作る過程で廃棄されるリグニンは芳香環を多く有する化学構造をしており,適切に分解することで多様な芳香族化合物が得られ,バイオマスポリマーの原料として有力視される.本研究では,リグニン由来のp-cresolから合成可能なPMCLに水素結合を導入することで固形化を達成し,汎用性高分子の代替材料となるバイオマスエラストマーとしての利用できる可能性を示した.
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