研究課題/領域番号 |
20K15055
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
齊藤 元貴 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (00749278)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 析出物 / 炭素鋼 / 組織制御 / 析出 / その場観察 / 結晶粒 / 電子顕微鏡 / 焼ならし / 鋼 / 結晶粒微細化 / 加熱TEM |
研究開始時の研究の概要 |
炭素鋼は自動車や建設機械の部品等に多く用いられており、これらの組織制御のため、鋼中に合金元素を微量添加し、熱処理によりこれらを微細なピン止め粒子として分散析出させる方法が有効である。本研究は、複数の合金元素を微量添加した炭素鋼における微細析出物の析出メカニズム解明を目的として、複数の析出相が複合化した析出物粒子を含めた微細析出物の定量評価を行う。さらに、加熱TEMその場観察を用いて、析出挙動を詳細に解明し、熱処理プロセスおよび材料組成の最適化を試みる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、複数の合金元素を微量添加した炭素鋼における微細析出物の析出メカニズム解明に基づく組織制御を目的とし、以下の成果が得られた。 (1)透過型電子顕微鏡による析出物の体積分率・サイズの評価に成功し、さらに析出過程のその場加熱TEM観察に成功した。(2)析出物を高温で固溶させた後の冷却速度が遅いと析出物が粗大に析出し逆変態後の結晶粒組織が粗大化することを明らかにした。(3)高温保持後に速い冷却を行って析出物を過飽和固溶させた後に加熱すると低温から析出物が微細析出し、析出処理温度を低下することで結晶粒組織の微細化が可能であることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究ではAlNやNb(C,N)といった析出物の析出過程が個々に議論されてきたが、本研究は、AlNとNb(C,N)が同時に析出する場合の析出過程を詳細に解明し、材料組織との相関を議論した点で学術的意義がある。本手法で用いた電子顕微鏡による観察評価手法やその場観察方法は他の材料への適用も可能である。また、本研究は実用されている機械構造用鋼を対象としており、得られた結果から材料の成分系や熱処理条件を最適化できる点で、社会的意義が大いにある。高い鍛造加熱温度、速い冷却速度や低温の焼ならし条件はいずれも実際の製造プロセスで十分適用可能な条件であり、実用性が高いものである。
|