研究課題/領域番号 |
20K15059
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大井 梓 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (00803876)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 固体高分子形燃料電池 / 白金合金触媒 / 触媒耐久性 / チャンネルフローマルチ電極法 / 耐久性 / 腐食 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,固体高分子形燃料電池の正極材料としての利用が期待される,白金合金触媒の腐食劣化機構の解明を目的としている.それは,白金合金触媒の長寿命化には,その腐食劣化機構に基づく触媒表面の制御が極めて重要と考えられるからである.したがって,白金合金触媒の腐食劣化機構におよぼす材料因子(合金組成・合金元素など)の影響を調査し,白金使用量を低減した低コスト・長寿命な白金合金触媒の開発を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では,固体高分子形燃料電池(PEFC)の正極触媒に用いられる白金(Pt)合金触媒の溶解劣化機構を解明するために,PEFC稼働環境下におけるPtと添加元素の溶解をin-situかつ同時に定量検出可能な測定手法を開発することに成功した.本手法をPt-銅(Cu)合金触媒に適用した結果,合金組成に応じて溶解機構が異なることを見出した.特に,合金へのCu添加量が75 at%まで増加すると,合金触媒から多量のCuが溶解することを明らかにした.その結果として,触媒の耐久性が著しく低下することを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,PEFC稼働環境下におけるPt合金触媒からの極微量な溶解量を,同時かつ定量評価可能な測定系の構築に成功した.したがって,Pt合金触媒の詳細な溶解劣化機構解明という学術的な見地から,高耐久性を有する触媒設計指針を検討できる点に価値がある.また,溶解劣化機構の解明に基づき,高耐久性を長期にわたり維持できるPt合金触媒の組成が提案できれば,PEFCを安価に提供できることに繋がるため,カーボンニュートラルへの貢献も可能である.
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