研究課題/領域番号 |
20K15063
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中村 嘉恵 日本大学, 理工学部, 助教 (10772741)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マグネシウム / 耐食性被膜 / 表面処理 / 生体埋植材 / 難燃性Mg合金 / 金属表面処理 / 有機-無機複合被膜 / 溶液高速噴射 / 生分解性ポリマー / マグネシウム合金 / 耐食性皮膜 / 有機無機複合材料 / 高速噴射 / ラバルノズル / 液体微粒化 / 液体高速噴射 / 有機・無機複合皮膜 / 皮膜形成技術 |
研究開始時の研究の概要 |
Mg は,強度・軽量性に優れているため,次世代の金属材料として期待されている.しかし,Mg は腐食しやすく燃え易いため,表面処理により基材を防食皮膜で覆い,耐食性を向上させる必要がある.本研究では,難燃性Mg合金を対象に,耐食性・柔軟性を併せ持つ皮膜の形成技術を開発する.これには,耐食性の高い Mg(OH)2皮膜を生成するための H2O(水)と,柔軟性を付与できることが期待される生分解性ポリマーを混合した溶液を微粒化し,難燃性 Mg 合金表面に高速噴射する.ここでは,(1) 溶液の微粒化・高速噴射システムの作製,(2) 成膜に適した条件を見いだすとともに,形成された皮膜の分析を行う.
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研究成果の概要 |
本研究では,(1)生分解性ポリマーを含む膜の試作,(2)液体高速噴射による表面処理システムの検討を行った.(1)では,純Mg基板上に有機物を含む防食膜を形成可能か検討するため,生分解性ポリマーであるL-アスパラギン酸を用いた水熱合成法により成膜実験を行った.その結果,被膜成分の中に,L-アスパラギン酸に由来する窒素(N)が検出された.(2)では,2種類の方法を検討した.1つは,金属容器内の溶液を加熱して発生した高圧蒸気をMg合金基板に噴射する方法,もう1つは水蒸気環境下にてMg合金基板を加熱することで被膜形成を促す方法である.後者の方法では,基板上に被膜成分と推測される結晶が確認された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発しようとする成膜手法は,蒸気と金属の反応によって,防食被膜を形成し,さらに,蒸気源に生分解性ポリマーを混合することで,被膜に,人体に無害な有機物を含有させようとするものである.本研究で検討中の,溶液噴射による運動エネルギーを化学反応に利用しようとする着想は,蒸発しにくい物質も溶液中に混合させて噴射することが可能である.さらに,本技術の確立により,Mg 合金のみならず様々な金属材料への展開が期待できることから,金属に対する表面処理で,これまで作ることができなかった皮膜成分,および機能が創成可能となる等の,科学技術への波及効果が期待できる.
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