研究課題/領域番号 |
20K15069
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
LU XIN 東北大学, 工学研究科, 助教 (00781452)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | レアアース / リサイクル / 溶融塩電解 / ネオジム磁石 / 資源保全 / 電気化学 / ネオジム / 磁石 / 溶融塩 / 電解 / 共析 / 液体合金 / ネオジウム磁石 / 電析 / 廃ネオジム磁石 / 母合金 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、膨大な数のモーターが電気自動車などの様々な工業製品に使用されている。その性能を左右するのがネオジム(Nd)磁石であるが、Ndの安定かつ持続的な供給が懸念されている。Ndの潜在的な供給危機への重要な対策として廃Nd磁石からNdの回収が注目されている。本研究では、低環境負荷の塩化物電解を用い、アノードで廃Nd磁石スクラップからNdのみの選択的溶解抽出を行い、さらにNdの回収を行うにカソード側で所定量のFe(II)イオンを供給することにより後続処理なしにそのまま磁石原料として使用可能となる液相のネオジム-鉄(Nd-Fe)合金を析出させ、効率的なNdの回収を目指す。
|
研究成果の概要 |
廃棄ネオジム(Nd)磁石中からのNdを塩化物系溶融塩電解浴によりNd-Fe合金として回収するため、諸電気化学因子の影響を解明した。1073KのLiCl浴において、廃棄Nd磁石中のNdの溶解電位は他の主成分よりはるかに負の-2.9V(塩素基準電位)であり、電解する際、Ndが優先的に溶解し、浴中に分離することが明らかにした。塩化物系において、Ndイオン(Nd(III))の還元反応は、二段階反応であるが、フッ素イオンの添加によって、一段階反応になる傾向があることを明らかにした。さらに、電解浴中の鉄イオン初期濃度と供給速度の制御によりNdをNd-Fe合金としての回収を可能とした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ネオジム(Nd)磁石は電気自動車などの各種工業製品に必要であるが、現在Ndの安定かつ持続的な供給が懸念されている。Ndの潜在的な供給危機への対策として、本研究では、低温操業・低環境負荷の塩化物浴を用い、微小電圧での廃Nd磁石の溶融塩電解回収法による新規Nd回収プロセス開発を行った。本研究により、(1)電解浴中のNdイオンの電気化学挙動を解明し、(2)溶融塩におけるレアアースイオンの電位化学挙動に及ぼすカチオンの影響の知見を得た。開発したプロセスは廃Nd磁石中のNdをNd-Fe合金として回収するため、安価で低環境負荷のNd回収が可能となり、産業にとって大きな貢献となる。
|