研究課題/領域番号 |
20K15070
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2021-2022) 東北大学 (2020) |
研究代表者 |
志賀 敬次 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (30803150)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 結晶成長 / 凝固 / 双晶 / その場観察 / 組織形成 / 融液成長 / 一方向凝固 / 混晶半導体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、融液成長過程における混晶材料の多結晶化の抑制に適した種結晶の選択法を構築することである。この目的を達成するために、「結晶/融液の固液界面で最も面積を広げやすい面方位(優先占有面)」という考えを導入する。融液成長時の固液界面のその場観察により優先占有面の形成に及ぼす冷却速度と組成依存性を明らかにし、優先占有面を種結晶に用いることで混晶材料の多結晶化が抑制できることを実験的に確かめる。
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研究成果の概要 |
本研究では、半導体の結晶粒がどのように成長し、欠陥がどのように形成するかを理解することにより、高品質な混晶材料(2種類以上の原子が混合して形成した均一な結晶)を育成するための指針を構築することを目的とした。混晶Sb-Bi系合金の凝固過程における固体と液体の界面の成長をその場観察することにより、界面形状の不安定化およびファセットとよばれる平らな結晶面の形成過程を明らかにした。また、混晶InSb-GaSb系合金とAl-Si合金でも同様な観察を行い、ファセットの形成は、2つの結晶間の特有の場所における双晶欠陥の形成および共晶とよばれる特異な結晶組織の異方的成長を引き起こすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属と比較して、半導体は凝固時に固体と液体の界面に特異な面(ファセット)が発達するため、半導体結晶の成長は異方的である。本研究では、固液界面のその場観察により、ファセットの形成が結晶粒の成長の挙動と欠陥の形成に著しい影響を及ぼすことを実験的に明らかにした。また、熱拡散方程式と欠陥形成に伴う自由エネルギーの計算により、固液界面の形状の不安定化と双晶粒界の形成に必要な駆動力の定量解析を行った。半導体材料の固液界面における結晶成長の様相を実験的・理論的に明らかにした点は、結晶成長の学理の構築に資するものであり、半導体結晶や混晶材料の高品質なバルク結晶の育成に重要な知見を与えると期待される。
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