研究課題/領域番号 |
20K15085
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢部 智宏 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (40803234)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | メタン / ポリオキソメタレート / 酸素酸化 / ホルムアルデヒド / 鉄導入ポリオキソメタレート / 高分散担持触媒 / メタノール / 鉄置換ポリオキソメタレート / 選択酸化反応 / アルカン酸化反応 / 金属置換POM触媒 / 酸素酸化反応 / 担持POM触媒 / 高選択的酸化反応 |
研究開始時の研究の概要 |
気相酸化や逐次酸化が起こらない低温条件(423-573 K)における金属置換ポリオキソメタレート触媒を用いた分子状酸素による低級アルカンの選択酸化反応を提案する。1原子単位で構造を制御して狙った金属多核活性点構造(例えばV5+, Fe3+, Cu2+など)を設計したポリオキソメタレート触媒を用いて、オンデマンド・高選択的に分子状酸素から活性酸素種を作り、安定な低級アルカンを選択的に酸化する。金属多核活性点構造を有するポリオキソメタレート触媒を有機溶媒中で精密に制御して設計し、酸化物担体に担持することやポーラス材料にすることで基質のアクセスを良くし高効率な固体触媒としての機能を創出する。
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研究成果の概要 |
低級アルカンの酸素酸化反応として、メタンをターゲットとし酸素酸化反応を行った。メタノール・ホルムアルデヒドなどの反応生成物は基質より反応性が高く選択性のコントロールが難しい。そこで、金属導入ポリオキソメタレートを用いて精密に設計した活性点を有する均一な固体触媒を合成することで、メタン酸化反応においても高い選択率を示す活性点構造を合理的に設計できると考えた。本研究では、前駆体として鉄二核導入ポリオキソメタレートのテトラブチルアンモニウム塩をシリカに担持して873 Kで反応を行ったところ、二酸化炭素の生成を抑えてホルムアルデヒド・一酸化炭素を合わせて収率2.0%(選択率87%)を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目標が実現されれば、多大なエネルギーやコストを消費する合成ガス製造プロセスを経由せず、含酸素化合物を含む有用な化学原料を合成できるようになる。また低温触媒プロセスは高温のそれと比べてプロセス全体の簡便・低コスト化につながり、これまで実現し得なかった新たな需要(オンサイト・オンデマンド合成)を生み出すことが期待される。学術的には、新規な担持金属導入POM触媒の設計や新規触媒系を提供する点で波及効果は大きい。近年、触媒インフォマティクスの発展により計算化学的手法で活性点構造を予想することが可能となってきているため、POMに組み込み固体触媒を創出するなどの発展も期待される。
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