研究課題/領域番号 |
20K15092
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
猪股 雄介 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (40824024)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 脱硝 / NOx / 酸化バナジウム / 酸化タングステン / 環境触媒 / 不均一触媒 / NH3-SCR / ブロンズ化合物 / 窒素酸化物 / 金属酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、窒素酸化物の除去法の一つであるアンモニアを還元剤とした選択的触媒還元 (NH3-SCR) について、低温 (100-150oC) で活性を示す触媒の開発およびその反応メカニズムの解析を目的とする。現在市販化されている脱硝触媒は300oC以上と高い反応温度が必要であり、不活性要因である煤塵および二酸化硫黄 (SO2) を含んだ排ガス上流へ触媒の設置を余儀なくされている。このような背景から本研究では、集じん・脱硫後の排ガス下流への触媒の設置を目指した、100-150oCの低温域で活性を示すタングステン-バナジウム複合酸化物触媒の開発および反応機構の解析をおこなう。
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研究成果の概要 |
火力発電所等の定置ボイラーでは,アンモニアを還元剤とした, 選択的触媒還元 (NH3-SCR) により窒素酸化物 (NOx) が除去される. 煤塵や硫安・酸性硫安生成による活性低下の抑制を目指した排ガスプロセス後段での脱硝が求められているが, その実現には150℃程度の低温かつ水分存在下で動作する触媒材料が必須である. 本研究では, V2O5にタングステンを原子状に添加することで, 150℃以下の低温かつ水分共存下(~20 vol.%)で動作し触媒安定性を有するNH3-SCR触媒を検討した. またoperando分光測定からタングステン添加の効果を明らかにし, 反応機構を解明した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の脱硝触媒はその動作に300℃以上の高温が必要であった。本研究では100-150℃程度の低温でも十分なNO転化率を得られる触媒材料を実現した。これにより、従来脱硝触媒材料劣化の点で課題のあった脱硝プロセスで、触媒材料の高寿命化から触媒交換コストの抑制が期待される。学術面では、低温脱硝に求められる触媒材料の性質を反応機構解析から明らかにしたことで、脱硝触媒材料の開発の指針を明確化できた。
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