研究課題/領域番号 |
20K15094
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山本 悠策 立命館大学, 生命科学部, 助教 (00843997)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 担持ニッケル触媒 / 金属ナノ粒子 / in situ XAFS / 化学状態解析 / 担持金属触媒 / in situ XAFS法 / 触媒反応メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、単一元素で構成された金属粒子内部における化学状態の不均一性とその反応特性を解析し、特に金属粒子表面に局在化した金属酸化物の高い反応活性を触媒反応へと展開することを目指す。粒子内での化学状態の不均一性と反応特性との関係の理解は、金属化学種の酸化還元反応に由来する機能の解明に重要な知見となる。種々の金属元素を対象に、金属粒子内で金属酸化物が局在化する過程とその反応特性を、主にin situ XAFS法を駆使して明らかにする。
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研究実績の概要 |
触媒反応条件下において、担持金属粒子は酸化性あるいは還元性のガス雰囲気に曝されており、それらガス種との反応による化学状態変化が触媒性能に影響を及ぼす。とりわけ、金属化学種の状態変化によって発現する化学状態の不均一な分布状態が、性能発現および高活性化のキーファクターとなる。本実験課題では、担持金属触媒中での化学状態の不均一な分布状態の発現過程の解析、ならびに金属粒子表層に局在化した金属酸化物の反応特性の解明に取り組んだ。 シリカ上にニッケル粒子を分散したシリカ担持ニッケル触媒について、基本的な酸化剤と還元剤である酸素と水素を用いた反応条件下でのニッケル化学種の化学状態変化をin situ XAFS法により追跡した。酸化ニッケルから金属ニッケルへの還元過程の途中では、酸化物化学種がシリカ担体との界面に局在化し、還元反応に対して安定化されることを明らかにした。一方で、金属ニッケルから酸化ニッケルへの酸化過程では、金属ニッケル粒子表層に酸化物化学種が局在化した状態を形成し、その後粒子表層から粒子内部に向かって酸化反応が進行するモデルを提唱した。金属ニッケルコアを持つ表層酸化ニッケルは、酸化ニッケル粒子に比べて水素による還元反応が低温で進行し、酸素放出能に優れることが明らかになった。また、表層酸化ニッケルの厚みを厚くすることで、還元反応温度が変化することを見出した。同様に還元剤として一酸化炭素やメタンを用いた場合においても、優れた酸素放出能を示すことが明らかとなり、これら反応ガス種の酸化反応に対して高い活性を示す可能性が見いだされた。 粒子サイズや酸化物化学種の割合を変えて、その酸化還元反応を系統的に解析することで、シリカ上のニッケル化学種の酸化還元挙動を詳細に解明した。これらの成果は、ニッケル化学種の酸化還元反応を介して進行する触媒反応系の高性能化に向けた重要な知見となる。
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