研究課題/領域番号 |
20K15095
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 鈴鹿工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小俣 香織 鈴鹿工業高等専門学校, 材料工学科, 講師 (50734133)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | アクリル酸 / グリセロール / アクロレイン / バイオマス / 固体酸 / タングステン / バナジウム / ニオブ / リン |
研究開始時の研究の概要 |
超吸水性ポリマーの原料となるアクリル酸をバイオマス由来グリセロールからワンステップで高効率合成できる、新規機能協奏型リン添加W-V-Nb系複合酸化物触媒の機能設計が本研究の目的である。目的を達成するために、「①グリセロールをアクロレインに脱水するW-Nb-Oサイトの機能」と「②アクロレインをアクリル酸に酸化するVサイトの機能」に及ぼすリンの添加効果と最適な存在状態を触媒構造と電子状態の観点から解明する。さらに「③リン添加W-V-Nb-O触媒上でW-Nb-OサイトとVサイトとがシステマティックに機能する最適反応条件」を明らかにする。
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研究成果の概要 |
リン添加W-V-Nb複合酸化物触媒は、グリセロールからアクリル酸を直接合成するための触媒として期待されている。リンの機能を理解し、より優れた触媒を設計するために、W-V-Nb複合酸化物の結晶構造および触媒機能におよぼすリン添加の効果を調べた。水熱合成プロセスへのリン添加は、斜方晶あるいは三方晶W-V-Nb複合酸化物の形成を促進することを明らかにした。斜方晶および三方晶W-V-Nb複合酸化物触媒は、5員環と7員環しか持たない結晶性の乏しい触媒と比較して、グリセロールからアクリル酸への後工程であるアクロレイン選択酸化において高いアクリル酸収率を与えることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リン添加はW-V-Nb複合酸化物触媒の結晶構造を変化させ、アクリル酸収率の向上に寄与することを明らかにした。今後、高い触媒性能を示す結晶を選択的に合成する方法を確立できれば、更なるアクリル酸収率の向上が期待される。BDF市場で大量に副生する安価なグリセロールから高効率にアクリル酸を合成する技術は、カーボンニュートラルでかつ経済性に優れたアクリル酸の供給を実現する。
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