研究課題/領域番号 |
20K15096
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
二井手 哲平 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (20802705)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | タンパク質工学 / 計算科学 / 低分子医薬 / 分子標的薬 / ファージ提示法 / ナノ材料 / タンパク質設計 / 指向性進化 / データベース / ナノ界面 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、材料認識バイオ分子の認識対象を、低分子医薬品の自己集合体(薬剤結晶)へと展開し、新しい医薬フォーマットとしての「ナノ分子標的薬」を創出する。本研究期間では、ファージ提示法を用いた進化分子工学とRosettaソフトウェアを用いた計算科学を融合させ、有機結晶表面認識バイオ分子の合理的な設計プロセスの確立を目指す。これにより、高濃度の低分子医薬を腫瘍選択的に輸送する新規医薬フォーマットを提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では、材料認識バイオ分子の認識対象を、低分子医薬品の自己集合体(薬剤結晶)へと展開し、新しい医薬フォーマットとしての「ナノ分子標的薬」の創出を目指した。本研究期間内に、ファージ提示法を用いたナノ材料結合ペプチドの取得とRosettaソフトウェアを用いたナノ材料結合タンパク質の設計に取り組んだ。その結果、薬剤結晶表面に解離定数99.7 nMで結合するペプチド分子の取得に成功した。このペプチド分子をRosettaソフトウェアを用いてがん抗原を認識する抗体様分子に融合したところ、タンパク質の安定性エネルギー値が大きく上昇しないペプチド分子の挿入位置を探索できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗体医薬と低分子医薬を化学修飾により組み合わせた抗体-薬物複合体(ADC)は、様々な疾患に対し副作用の無い医薬品として注目を集めているが、抗体の失活や不溶化が原因となり、高い確率で臨床試験以前で脱落してしまう。それに対し我々の目指したナノ分子標的薬は、これまでに無い新しい分子標的薬であり、学術的意義は大きい。さらに、このナノ分子標的薬で用いる人工タンパク質は、分子標的機能と薬剤ナノ粒子表面に結合する二つの機能に限定した低分子量タンパク質であるため、バクテリアで調製でき、薬価を大きく低減させることが期待できる。以上より、将来に向けた新しい創薬モダリティとして期待できる。
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