研究課題/領域番号 |
20K15099
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今村 聡 京都大学, 高等研究院, 特定研究員 (30846689)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 幹細胞 / 時計遺伝子 / 熱刺激 / マイクロ流体デバイス / 肝細胞分化 / 肝細胞 / ヒト多能性幹細胞 / 時計同調因子 |
研究開始時の研究の概要 |
創薬において初代培養肝細胞の代替として期待されているヒト多能性幹細胞由来肝細胞(hPSC-Hep)は、未熟な状態であり機能の発揮が不十分である。近年、生体内の肝臓において体内時計を司る時計遺伝子による薬物代謝調節機構が明らかとなり、その重要性が注目されている。一方で、hPSC-Hepにおいては体内時計の獲得時期や、時計遺伝子と肝機能との関連性については不明である。本研究では、分化誘導因子や時計同調因子を厳密に時間制御できるマイクロ流体デバイス(μFD)を用いてhPSC-Hepが分化過程における体内時計獲得機構とその肝機能との関連性を解明し、機能化・成熟化を促進するシステムの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
肝臓や創薬の研究においてヒト多能性幹細胞由来肝細胞(hPSC-hep)の機能化は重要であるが、それは未だに達成されていない。本研究では機能化の方法として体内時計に着目し、マイクロ流体デバイス(μFD)を用いてhPSC-Hepの時計振動機構を解明し、hPSC-Hepをより機能化・成熟化することを目指した。本研究では、1)正確な時間因子投与が可能なマイクロ流体デバイスの開発に成功、2)肝細胞の分化過程において時計遺伝子の振動は肝芽細胞への分化後に始まることを見出し、3)温度変化が肝細胞の機能を促進することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
hPSC-Hepの機能化はこれまでに多くの研究者が取り組んできたが、機能を成熟化させることは困難であった。hPSCからの肝臓分化誘導においては、多くの研究が成長因子や細胞の混合、オルガノイド形成などからアプローチであるが、時計遺伝子の関連性に関しては正しく「No man’s land」状態である。本研究は、この時計遺伝子と分化誘導・機能発現の重要性にいち早く気づいた研究であり、正しく時間を制御することが可能なマイクロ流体デバイスと融合させることで機能的なhPSC-Hepの作製が可能となり、hPSC-Hepの実用化に大きく貢献できることが期待される。
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