研究課題/領域番号 |
20K15103
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 長浜バイオ大学 |
研究代表者 |
知名 秀泰 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 助教 (70570282)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 有機溶媒耐性酵素 / ペルヒドロラーゼ / ブロモラクトン化反応 / exo/endo選択性 / ハロゲンイオン結合部位 / 塩基性オリゴペプチド / メチオニン選択的修飾法 / 超原子価ヨウ素化合物 / 非金属ブロモペルオキシダーゼ / BPO-A1 / 親水性オリゴペプチド / ヒスタグ / 生体直交型反応 / 有機溶媒耐性ペルヒドロラーゼ / 選択的exo環化 / 異種変換 / pH安定性 / エステラーゼ活性 / ラクトン化酵素 / ハロゲン制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者が先行研究で獲得した有機溶媒耐性ペルヒドロラーゼを分子内環化触媒へ応用するため、まずは部位特異的変異導入法により不飽和カルボン酸のハロラクトン化に必要な広い反応場の構築に取り組む。次に、ハロカルボン酸の高度な位置選択的ラクトン化を目指し、本酵素のハロゲンイオン認識部位を基質のハロゲン原子認識部位へ改変する。更に、有機触媒系とのハイブリッド化を志向し、補因子のカルボン酸にヨウ素を付与した新規超原子価ヨウ素補因子の開発を試みる。本研究により、自然界には存在しないハロゲン制御型ラクトン化酵素と有機触媒系ハイブリッド補因子が創製されることになり、酵素工学に革新的な活路が切り開かれる。
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研究成果の概要 |
ペルヒドロラーゼのカルボン酸の補因子となり得る2-ヨード安息香酸類に対し、水存在下で3価の環状型超原子価ヨウ素化合物(ヨードソ安息香酸類)を選択的に合成する方法を見出した。ペルヒドロラーゼのBPO-A1においては、不飽和カルボン酸の高選択的なブロモラクトン化活性の検出により、カルボン酸依存型ブロモペルオキシダーゼとしての機能を示した。また、遺伝学的手法により、BPO-A1のC末端へ様々な親水性オリゴペプチドを導入した変異体に対し有機溶媒安定性を評価した結果、特に塩基性オリゴペプチドが著しく高い効果を示した。更に、生体直交型反応を利用し親水性オリゴペプチドを選択的に化学修飾する方法を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
5価の超原子価ヨウ素化合物は爆発性を有することから、超原子価ヨウ素化合物の工業的利用は避けられる傾向にあるが、3価体のみを選択的に合成できたことは工業的な観点で意義がある。また、ペルヒドロラーゼは非酵素学的過程を含む非金属型ハロペルオキシダーゼとして知られていたが、本研究により非酵素学的過程を含まないブロモラクトン化の機能が見つかったことから、合成用酵素としてペルヒドロラーゼの価値を高めたことは学術的に意義がある。更に、親水性オリゴペプチドを酵素表面上の疎水性コア近辺に付与することで有機溶媒安定性を高めたこと、および任意の位置にそれを化学修飾する技術の構築は学術的な発展性において価値がある。
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