研究課題/領域番号 |
20K15106
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長谷川 拓哉 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30793690)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ペロブスカイト / レドックス / 電子構造 / セリウム / ナノシート / エレクトロクロミック |
研究開始時の研究の概要 |
数多ある希土類イオンを含有した層状ペロブスカイトナノシートの研究において,構造内にセリウムイオンから構成される層状ペロブスカイトナノシート材料は発見されていない。とりわけ,Ce(IV)の導入による電気的中性な層状ペロブスカイトナノシートは,従来にはない機能を有する新しい材料となりうる。本研究では,Ce(III)を含む層状ペロブスカイト母材を軸に,1)単層剥離によるナノシートの創成,2)酸化処理によって得られるCe(IV)含有ナノシートの作製,3)光触媒能を主題とした光機能性創出を目的とする。最終的には,Ce(IV)導入層状ペロブスカイトナノシートの有用性を提示することによって本研究は完遂する。
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研究成果の概要 |
本研究は,代表者が世界に先駆けて発見したセリウム導入層状ペロブスカイトに対して,その物質系の拡張と,従来の層状ペロブスカイトにはなかったレドックス特性を発現させることを目的としたものである。結果として,ペロブスカイト層を剥離したアニオン性[Ce(III)Ta2O7]-を合成し,それを化学的に酸化することで誘導される電荷中性な[Ce(IV)Ta2O7]ペロブスカイト層の創成に成功した。 これは,従来の層状ペロブスカイトにはない,レドックス能を最大限に引き出すことで達成されたもので,「レドックス性層状ペロブスカイト」という新しい物質系を構築したといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で達成した成果は,無機材料の代表格であるペロブスカイト化合物の一種である層状ペロブスカイトにおける新しい特性を生み出したもので,無機材料化学において革新的なものとなった。特に,原子層レベルのペロブスカイトナノシートの出発物質である層状ペロブスカイトは,ナノ材料化学の観点から極めて重要で,ペロブスカイトナノシートに新たな特性となる「レドックス能」を付与するものとなった。そうした材料科学の主要物質群に対して,新たな機能を付与した本研究は,学術的に大きな意味を持つ研究となった。
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