研究課題/領域番号 |
20K15114
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
溝口 来成 東京工業大学, 工学院, 特任助教 (90848772)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ゲルマニウム / 量子ドット / 量子ビット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、簡素な構造で高速な操作が可能なGe量子ドット中の重い正孔を利用したスピン量子ビットの研究を行う。核スピンの少ないIV族半導体中のスピンは長いコヒーレンス時間を持つため、Si中の電子を利用した長寿命、高精度な量子ビットが実現されている。しかし、電子スピンの操作には局所磁場を発生させる構造が必要であり、大規模な集積化の際には問題となる。一方で、同じIV族半導体であるGe中の重い正孔では、その強いSOCによる有効磁場を利用することで、量子ビットが実現できる。本研究では、Ge量子ドットスピン量子ビットを実現し、高性能な量子ビットのための最適化を行う。
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研究成果の概要 |
ゲルマニウムナノ構造中の重い正孔スピンを用いることで、簡素な構造を持ち高速かつ長寿命な量子ビットが実現できると期待されている。本研究ではこのような量子ビットの実現に向け、ゲルマニウム量子ドット構造の実現と量子ビット測定技術の開発が目的となる。具体的には、Ge/SiGeヘテロ構造基板を利用した量子デバイスの作製プロセスの立ち上げを行い、Hall barデバイスと量子ドットデバイスの作製を行った。また、量子ビット実現に向けてRF波を利用した高速読み出し測定系の構築を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ゲルマニウム中の重い正孔に着目し量子ビットの実現を目指すという、量子コンピュータ実現に向けた基盤的な研究を行った。この中で、ゲルマニウム量子デバイスの作製に成功している。これは、今後の高性能なゲルマニウムスピン量子ビットの実現に貢献する重要な成果である。並行して、高速なスピン読み出しを可能にするRF反射測定の最適化条件の確立という、他のスピン量子ビット系へも適用できる学術的意義の大きい成果も挙げている。
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