研究課題
若手研究
スピン流から電流へと変換する現象であるスピン流-電流変換はスピン軌道相互作用の現象であるラシュバ効果が生じる表面・界面などにおいて高効率な変換が起きる。最近、Bi2O3/Cu(111) 界面において、光を入射することで非占有の界面ラシュバ状態を介したスピン流-電流変換が観測された。本研究では光誘起のスピン流-電流変換、いわば『光-スピン流-電流変換』が生じる物質の探索を密度汎関数理論に基づく第一原理計算によって行い、物質設計の指針を導く。また、太陽電池のように光起電力効果を有する物質にそうした変換機能を付加できれば、光から電流への変換の高効率化が見込まれるため、その電界効果を調べる。
本研究の主要な成果は、擬原子基底線形結合法とベリー位相法に基づく一様電場下での第一原理計算手法の開発を世界で初めて完成させたことである。それは、扱える原子数が世界最大級であるために、電場印加下でのナノスケール材料において高効率に電子状態が予測できるという特徴がある。また、太陽電池材料の設計指針について、近年の有機薄膜太陽電池材料の論文から材料特性データを抽出し、高性能な材料の条件を導出したことである。
本研究の主要な成果である電場印加計算コード等のナノスケールの電子材料に特化した第一原理計算コードを公開することで、ナノ電子材料の物質設計に役立つと期待される。開発手法を実装したOpenMXは、国内外の、物性物理学・化学・材料科学分野等における大学・企業研究者のシミュレーション研究基盤を担っており、本研究での拡張版を公開し、様々な研究者に利用されることで、先駆的な研究成果の創出への寄与が期待できる。
すべて 2024 2023 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 2件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (43件) (うち国際学会 21件)
Interactions
巻: 245 号: 1 ページ: 33-33
10.1007/s10751-024-01867-4
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 63 号: 1 ページ: 01SP26-01SP26
10.35848/1347-4065/acfe17
Journal of the Physical Society of Japan
巻: 92 号: 12 ページ: 124704-124704
10.7566/jpsj.92.124704
Solid State Ionics
巻: 399 ページ: 116299-116299
10.1016/j.ssi.2023.116299
Applied Physics Express
巻: 16 号: 5 ページ: 053002-053002
10.35848/1882-0786/acccd3
巻: 16 号: 4 ページ: 043003-043003
10.35848/1882-0786/accacc
巻: 16 号: 2 ページ: 023001-023001
10.35848/1882-0786/acb486
巻: 62 号: SD ページ: SD1019-SD1019
10.35848/1347-4065/acaca6
Physical Review B
巻: 107 号: 2 ページ: 024404-024404
10.1103/physrevb.107.024404
Computer Physics Communications
巻: 280 ページ: 108487-108487
10.1016/j.cpc.2022.108487
巻: 61 号: 3 ページ: 030905-030905
10.35848/1347-4065/ac4894
Materials
巻: 13 号: 19 ページ: 4444-4444
10.3390/ma13194444