研究課題/領域番号 |
20K15117
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
松原 愛帆 東京理科大学, 理学部第一部物理学科, 助教 (20867832)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | カーボンナノチューブ / グラフェン / FeSe / 熱電変換 / パワーファクター / ゼーベック係数 / 熱電材料 / 薄膜 / 二層グラフェン / 久保・ラッティンジャー理論 / 不純物ドープ / 熱電ナノ材料 |
研究開始時の研究の概要 |
熱電材料の研究が以前にも増して重要となっている最中,統計物理学の分野において熱電性能を高精度に評価することのできる「久保・ラッティンジャーの理論(KL理論)」が確立された.本研究ではこのKL理論に基づき,材料のナノ構造化による高効率な熱電材料の理論設計や,ナノ材料に固有の新奇な熱電現象の発見を行う. 具体的には,1次元ナノ材料としてカーボンナノチューブ,2次元ナノ材料として様々な原子層材料の熱電性能を最大化するための設計指針を提示する.
|
研究成果の概要 |
本研究では,近年確立された久保・ラッティンジャー理論を用いて,低次元熱電材料の熱電性能向上のための設計コンセプトを提示した.具体的には,1次元材料である窒素ドープカーボンナノチューブ(CNT)において,パワーファクター(PF)を最大化する最適な窒素ドープ量を予測し,さらにPFの最大値がCNTの直径の減少に伴い増加することを明らかにした.また,2次元材料である2層グラフェンに外部から垂直電場を印加することで,バンド端近傍でPFが向上することを定量的に評価した.最後に,外部電場などによりバンドの縮退を解くことで,大きな電気伝導率とゼーベック係数の両立が可能であることを示した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
身の回りのあらゆるものがインターネットと繋がるIoT社会において,熱から電気を得る熱電変換材料の研究は,以前にも増して重要となっている.本研究では,熱電性能を高精度に評価することができる久保・ラッティンジャーの理論を用いて,低次元材料の熱電性能を最適化するための定量的な指針を示した.さらに,大きな電気伝導率とゼーベック係数を実現するための新たな熱電材料開発のコンセプトも提案した.これらの成果は実践的かつ汎用的であり,今後の熱電材料開発やデバイス応用への貢献が期待される.
|