研究課題/領域番号 |
20K15122
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
JEEM MELBERT 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (00815805)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ナノロッド / 電子顕微鏡 / 第一原理計算 / 光合成 / ZnO / Nanorods / Simonkolleite / STEM-VEELS / DFT / photo-synthesis / Cathodoluminescence / 水中結晶光合成 / ガルバニック効果 / 金属酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は水中での光照射によってZn, Cu, Fe, W, Ce 等の金属基板からその酸化物ナノロッドを大面積に成長する現象を見出し、水中結晶光合成法 (SPSC: Submerged Photo-Synthesis of Crystallites) と命名した。ZnOナノロッドについて、成長過程が欠陥準位を利用した水分解及び光ラジカル反応に起因していることを明らかにした。一方、異種金属基板上への成長が原理的に可能である。本研究では、様々な金属酸化物ナノロッドを異種金属基板上に形成し、それらの界面に生じる構造の変化や欠陥準位を、走査型透過電子顕微鏡を用いて詳細に調査する。
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研究成果の概要 |
光照射を利用したナノ結晶合成の一種として、水中結晶光合成法(SPSC)を開発した。さらに、ガルバニク効果を施したSPSC処理により、異種金属ZnO/CuOヘテロナノロッドの合成に成功した。成長メカニズムを詳細に調べるには、ZnO/CuO接合界面におけるSTEM-VEELS測定、接合界面の結晶モデルに基づく電子状態の計算と光応答の測定を行った。TEM観察より、ZnO/CuOが{110}面に沿って結合し、格子の不整合性が0.5%以下であることがわかった。また、電子状態計算がCuO→ZnOの電子移動を示し、格子間亜鉛と酸素欠損の相互作用により形成された接合特有の発光に起因したことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SPSC法は、様々な金属基板に多種多様な金属酸化物のナノロッドを安価で簡便に大面積成長させることができることから産業応用上有利であり、さらに金属-金属酸化物ナノロッドの接合界面を舞台とした光エレクトロニクスや光エネルギー変換工学の学術領域の発展に貢献し、太陽電池、殺菌デバイス、ガスセンサー、光メッキ等、様々なデバイス開発にも利用できる。さらに、光と水を用いて水素と金属酸化物のみを生成する、グリーンテクノロジーであることも大きな強みである。
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