研究課題/領域番号 |
20K15123
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中室 貴幸 東京大学, 総括プロジェクト機構, 特任准教授 (30831276)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 核形成 / 結晶成長 / 透過電子顕微鏡 / 原子分解能 / 時間分解観察 / 結晶化 / 無機化合物 / 時間分解能 / 時間発展型解析 / 電子顕微鏡 / 動的挙動解析 |
研究開始時の研究の概要 |
結晶系や格子欠陥が化学的・物理的性質に直結するために,結晶化過程の機構解明並びにその制御が結晶学研究において重要視される.計算的アプローチが主であった当該領域に対して,本研究では透過型電子顕微鏡を用いた結晶化挙動の分子動画撮影により,結晶化機構の詳細を論究する.結晶化挙動のその場解析法開発による結晶化機構究明,ならびに高速分子動画撮影による本手法が結晶学の汎用法として発展していくための実験的・理論的知見の収集を行う.
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研究成果の概要 |
原子分解能単分子時間分解電子顕微鏡(SMART-EM)イメージングを用いた高速撮影によって,結晶化過程における分子レベルの詳細を追求するべく検討を進めた.塩化ナトリウム(NaCl)をモデル基質として選定し,核形成ならびに結晶成長における分子動態の解析に成功した.観察中に生起するクラスターの横,縦,奥行きといった構造情報,そして時間軸の4次元的な動態が電顕観察でき,モンテカルロ法によって実験結果を解釈できた.NaClだけでなく他の陽イオン,陰イオンなど多岐に渡る基質への展開可能性が明らかになりつつあり,取得した分子動画を利用した「目で見る教育の実現」への展望も拓けた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
結晶学は無機化合物に限らず,医薬品などの有機化合物やタンパク質など幅広い分野で興味が持たれる研究領域である.しかし結晶化過程がサブナノメートルスケールでかつ短時間オーダーで起こる事象であるために実験的な機構研究が困難となり,計算的手法に基づいた理論研究が主であった.本研究では原子分解能電子顕微鏡を用いた結晶挙動の実時間観測に高速撮像技術を組み合わせることにより,今まで窺い知ることができなかった結晶化における非平衡動態の検知に成功した.得られた構造情報は理論の発展ならびに結晶化手法の向上に寄与すると考えられ,広範な分野への好影響が期待できる.
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