研究課題/領域番号 |
20K15124
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 (2021-2022) 東京工業大学 (2020) |
研究代表者 |
井田 由美 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10792278)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 多元系合金粒子 / 磁性 / アークプラズマ蒸着 / 鉄 / ニッケル / アルミニウム / 合金 / ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アークプラズマ蒸着法を用いて系統的に三元素の合金サブナノ粒子(粒径1 nm前後)を作製し、新しい磁性材料を創出するために磁気特性と構造の相関を明らかにする。 高性能な合金磁石の開発には、磁気ヒステリシスを示す相(硬磁性相)と示さない相(軟磁性相)が交互に重ね合わせた規則化構造が必要である。代表例として二元素で構成されたFePtの合金が知られているが、サブナノ領域では融点降下により合金を形成しやすくなるため、元素数を増やした三元素を用いることで合金磁石の新しい相を開拓できる可能性がある。その新規の相の構造と磁気特性を明らかにし、磁性材料の構造単位として提案する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、アークプラズマ蒸着法を用いて、三元系合金サブナノ粒子を作製し、磁気特性と構造の相関を明らかにすることで、新しい強磁性物質群を創出することである。 アークプラズマ蒸着法では、パルス放電の回数により粒子の大きさを制御できる特徴がある。 FeとNiの割合を1:1で固定しAlの割合を変化させたFeNiAlの合金粒子を系統的に作製した。磁気測定では、Alの含有量が過剰量になるほど、磁気ヒステリシスが顕著に観測された。一方、FeNi粒子では見られなかったため、FeNiAlの三元系固有の物性であると推測される。FeNiAlの組成比の違いによる酸化数変化と磁気特性の関連性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
数nm程度の粒径をもつサブナノ粒子は、極低温における磁気挙動にバルクとは異なる特異的な性質が現れると期待されている未知な領域である。近年では、単一元素よりも2種類以上の元素を組み合わせたサブナノ粒子の機能性の向上が見受けられる。 自然界ではより複雑な系が大部分を占めているため、マクロとミクロの間の系を解明することが新しい物質系を開拓する上で重要である。様々な組み合わせを試すには、一度に大量合成ができ、煩雑な処理を必要としない方法でスクリーニングできることが望ましい。スクリーニングの結果、最適な組み合わせの粒子の物性を明らかにすることは、新しい材料の素材として候補となり得る可能性がある。
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