研究課題/領域番号 |
20K15128
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
稲田 雄飛 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 助教 (90770941)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ピレノファン / ナノカーボン / キャリア輸送層 / 有機半導体 / デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、有機半導体を発光層に用いた電流注入型レーザーデバイスの発光効率を改善するため、『ねじれ形ピレノファン』という分子を用いた新たな高移動度キャリア輸送層の開発を目指す。同分子は、対面したピレン2分子を共有結合で繋げたものであり、ピレン分子同士が面法線を軸にねじれた配置をとることで、キャリア輸送効率の向上が期待できる。本補助事業期間には、同分子の合成ならびに分子配向制御を行い、配向状態やキャリア移動度の評価を行う。これにより、同分子のキャリア輸送層としての有用性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、有機半導体を発光層に用いた電流注入型レーザーデバイスの発光効率を改善するため、電極から発光層へのキャリアの輸送効率を高めるための材料開発に焦点を当てた。このために、『ねじれ形ピレノファン』という分子の利用を着想し、従来の極めて多工程かつ低収率な合成経路を短工程化することを目指した。提案した経路は5工程からなり、これらのうち、短工程化のネックとなるブロモ化の工程の反応開発に注力した。反応条件と精製方法を種々検討し、目的化合物の生成は示唆されたが、副生成物との分離に課題が残った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電流注入型有機半導体レーザーは、有機分子の設計次第で多様な発光色が得られ、電流注入駆動方式によってデバイスを小型化しやすい。このような特徴を活かそうと、近年、ウェアラブルデバイスなどへの実用化を目指した研究が行われている。本研究は、電流注入型有機半導体レーザーの発光効率の改善に寄与することを大きな目的に据え、電極から発光層へのキャリアの輸送効率を高める材料の開発に焦点を当てた。本研究では、このような材料としての利用が期待できる『ねじれ形ピレノファン』という分子の合成経路の短工程化を試み、これに関する知見を与えた。
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