研究課題/領域番号 |
20K15130
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
近藤 崇博 学習院大学, 理学部, 助教 (30760277)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 単一ナノ粒子分光 / フォトルミネッセンス分光 / 顕微分光 / 酸化亜鉛 / ナノ粒子 / フォトルミネッセンス / 単一粒子計測 / 蛍光寿命 / 水中レーザーアブレーション / 半導体ナノ粒子 / 半導体 / 光励起キャリア |
研究開始時の研究の概要 |
半導体ナノ粒子は、光触媒をはじめ、様々な用途で応用が進んでいる。半導体ナノ粒子中の光励起キャリアの吸着分子への移動現象は光触媒反応の基礎過程として重要であり、研究が進められてきた。しかし、それらはナノ粒子の集合体に対して行われ、ナノ粒子の平均的特性を評価するにとどまっている。本研究は、半導体ナノ粒子の特性が、粒子表面に吸着した分子との間のキャリア移動に及ぼす影響を、単一のナノ粒子レベルで明らかにする。キャリア移動の評価には、高速時間分解フォトルミネッセンス分光を用いる。光励起キャリアのダイナミクスを評価し、ナノ粒子による水や有機物の触媒反応について学術的知見を与える。
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研究成果の概要 |
単一半導体ナノ粒子のフォトルミネッセンス(PL)分光に取り組んだ.水中レーザーアブレーション法により合成した酸化亜鉛ナノ粒子では,励起子ピーク位置,幅が粒子により異なった.角張った粒子は球状のものに比べ欠陥発光が強く励起子ピークはブロードであった.また,低温PL分光計測による単一酸化亜鉛ナノ粒子のスペクトルの取得に取り組んだ.その結果,未知の発光を検出する成果を得た.発光寿命の計測では,酸化亜鉛半導体ナノ粒子では発光強度が弱く検出が不可能であったが,アントラセンの蛍光寿命の計測に成功した.今後はアントラセンとナノ粒子を組み合わせ有機無機複合材料の光励起キャリア移動の評価に研究を展開していく.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
個々のナノ粒子の特性評価は,より高度なナノテクノロジーの発展に重要である.本研究では酸化亜鉛ナノ粒子個々のフォトルミネッセンス分光に取り組み,ナノ粒子合成過程に関する知見の取得,未知の発光を観測するなどの成果を得た.これは凝集状態のナノ粒子の評価では観測できないものであり,学術的にも興味深いものである.また,このようなナノ粒子個々の性質を利用すれば新たな原理に基づくデバイスの開発などにつながる可能性があり,社会的意義をもつ成果である.
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