研究課題/領域番号 |
20K15134
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (2021) 国立研究開発法人物質・材料研究機構 (2020) |
研究代表者 |
鈴木 誠也 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 任期付研究員 (90590117)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | ゲルマネン / 六方晶窒化ホウ素 / グラフェン / 透過型電子顕微鏡 / 結晶成長 / その場観察 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲルマニウム(Ge)版グラフェンと言えるゲルマネンは、高キャリア易動度と電界によるバンドギャップの直接制御性を合わせもち、グラフェンを超える物性をもつ2次元物質と理論的に予想されている。しかし、ゲルマネンの電子輸送特性は未だに一件も報告されていない。これはゲルマネンが化学的に不安定であり、既存の表面へのゲルマネン合成法では、高品質なゲルマネンの電子デバイス化が本質的に困難なためである。 本研究は上記課題を解決するため、六方晶窒化ホウ素(h-BN)層間のナノ空間へゲルマネンを直接合成する。h-BN層間内でゲルマネンを化学的に安定化させ、ゲルマネン電子デバイスを作製し、ゲルマネンの電子輸送特性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、2次元材料の最適基板として知られる六方晶窒化ホウ素(h-BN)層間にゲルマネンを直接合成する手法を研究し、デバイス化によるゲルマネンの電子輸送特性評価を目的としている。ゲルマネンの直接合成に関しては、h-BNより試料が取り扱いやすいグラフェンを用いて、ファンデルワールス(vdW)物質層間でのゲルマニウム(Ge)の結晶化を研究した。透過型電子顕微鏡によるその場観察を利用して、Geの結晶化やマイグレーションなど、基礎的な結晶化の現象を原子レベルのスケールで捉えることに成功した。一方で、h-BN界面への均一なゲルマネン形成とデバイス化には至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、グラフェン層間でのGeの結晶化を初めて捉えた。Geが融点以上の温度でもグラフェン層内にとどまって結晶化するため、原理的にグラフェン層内でのゲルマネンの結晶成長が可能であることを示した。また、本研究で開発したグラフェン/Ge/グラフェンのサンドイッチ構造作製技術は、他のvdW物質のサンドイッチ構造にも適用可能である。このため、本成果は原子層物質のプロセス技術の拡張につながり、近年多数発見されている新原子層物質全般への適用やデバイス応用の促進が期待できる。
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