研究課題/領域番号 |
20K15137
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大塚 慶吾 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (20823636)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 単層カーボンナノチューブ / 単一ナノ構造材料 / ナノ・マイクロ加工 / ナノスケール輸送特性 / ナノ界面 / 輸送特性 / 光物性 / ナノスケール伝熱 / カーボンナノチューブ |
研究開始時の研究の概要 |
単層カーボンナノチューブの熱伝導率は、1本と集合体の場合で大きく乖離する。直径などのミクロ構造の差、配向性などのマクロ指標だけではこの乖離は説明できず、試料界面での熱の透過や散乱特性が着目されている。その理論的予測は多く報告されているが、実験的研究はきれいな単一界面を得る方法が確立していないため極めて限定的である。本研究では、独自の高精度転写手法によって、任意の界面構造を持つナノチューブを溝へと配置する技術を構築する。共焦点顕微分光を用いて界面における熱抵抗や表面接触による熱伝導率変化を定量的に評価することで、多彩なマクロスケール応用への設計指針の獲得を目指す。
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研究成果の概要 |
構造の定まった単一のナノ材料におけるさまざまな界面を形成するために、決定論的なナノ材料配置手法の新たに開発したほか、化学気相成長法による合成も実施した。ナノ材料の配置手法においては、清浄な表面を維持したまま溝やスリットに架橋された構造が必要になるので、昇華性の有機分子の結晶を介した転写の方式を考案し、同時に蛍光分光によるナノ材料の構造同定を可能にすることで、原子レベルで構造が一意に定まったナノチューブ同士の界面におけるエネルギー輸送現象を観察できるようになった。また異動に伴う環境変化に対応し、異種ナノチューブ界面へと対象を広げ、伝熱計測から半導体中の電導特性へとフォーカスを移し現象を観察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノ材料が実際に応用される場合、孤立した単純な系で現れることは少なく、多くの場合は多数のナノ材料が集まってマクロな材料として扱われることが多い。そのため、マクロ材料としての機能を理解し、それを制御するためには、ナノ材料の界面におけるエネルギー輸送や相互作用による物性の変調を正しく理解する必要がある。1つの孤立したナノ材料に関する熱や電気の輸送特性の計測は数多く行われてきたが、原子レベルで構造の定まった2つのナノ材料を用意し、その間の輸送特性を計測した例は限定的であった。本研究ではそれを行うための技術的障壁を取り払う貢献ができ、今後の単一ナノ材料界面における輸送現象の理解を加速するはずである。
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