研究課題/領域番号 |
20K15140
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28040:ナノバイオサイエンス関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
福田 真悟 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 特任助教 (90829186)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 一分子計測 / 転写 / 走査型プローブ顕微鏡 / 高速AFM / 一分子蛍光顕微鏡 / 転写開始過程 / RNAポリメラーゼ / 高速原子間力顕微鏡 / 転写開始 / 生物物理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高速AFM/蛍光顕微鏡複合機を用いて大腸菌由来のRNAポリメラーゼ(RNAP)による転写開始過程の構造動態解析を行う。具体的には、(1) RNAPによるプロモーター領域の探索と認識、(2) 開始前複合体の形成、(3) abortive initiation、(4) 開始前複合体から伸長複合体への構造変化を観察する。これらの観察を実現させるために、高速AFM/蛍光顕微鏡複合機の改良を行い、転写開始に伴うすべての素過程を可視化することができる実験システムを確立する。高速AFMと蛍光顕微鏡による多角的な情報から、一分子レベルで転写開始メカニズムが明らかになることが期待される。
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研究成果の概要 |
「転写」は分子生物学のセントラルドグマにおける最初のステップである。そのため、転写がどのようなメカニズムで開始されるのかを明らかにすることは、生命現象の根本の理解につながると考えられる。本研究では、この転写開始過程を高速原子間力顕微鏡(AFM)で観察するための要素技術の開発を行い、一分子レベルでの転写開始メカニズムを明らかにすることに成功した。また、開発した手法は他の生体試料へも適用可能であるため、本研究によって高速AFMの適用範囲は拡張され、今後、高速AFMは生体分子を解析するさらなる主要な装置になるだろう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの転写開始過程の観察では、X線結晶構造解析や電子顕微鏡、光学顕微鏡、光ピンセットなどの手法が用いられてきた。しかしながら、これらの手法ではRNAP-DNA複合体のダイナミックな構造変化をリアルタイムに観察することはできなかった。一方で本研究では、高速AFMを使った観察によってRNAPとDNAが相互作用して働く様子を直接、可視化することに成功し、これまで解像することの出来なかった転写開始メカニズムを明らかにすることが出来た。これらの一分子レベルでの基礎研究の成果が、医薬創薬開発等の応用研究へ向けた知識基盤へと発展していくことが期待される。
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