研究課題/領域番号 |
20K15152
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
塚越 拓哉 富山県立大学, 工学部, 講師 (90782920)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | MEMSセンサ / 表面プラズモン共鳴 / 接着性細胞 / 細胞接着 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、細胞接着のダイナミクスを詳細に解析し、細胞による能動的な焦点接着構造(Focal Adhesion;FA)の形成と実際の接着力との時間的相関を明らかにすることを目的とする。この目的のために、nNオーダーの微弱な接着力を高い分解能で計測可能なMEMS力センサと、金属表面における誘電率のわずかな変化を定量化することのできる表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance;SPR)センサを、同一細胞に対して同時に適用し、接着性細胞が細胞外マトリクス等に接着し移動するときの物理現象を詳細かつリアルタイムに計測・解析する。
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研究成果の概要 |
表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance;SPR)によって細胞接着を計測するために、SPRセンサのセットアップを構築した。ガラス基板上に蒸着した金属膜にSPRを励起するのが一般的だが、本研究では後々の力計測を考慮して、シリコンウエハ上に蒸着した金膜を用いた。金膜に培地が触れた状態でSPRを励起させ、SPRを電流により検出しながら、培地に細胞懸濁液を加えた。SPR電流は10分ほどかけて低下し、その後安定した。これは、金膜に細胞が接着し、金膜近傍の実効的屈折率が高くなり、SPR電流が低下したものと推測される。また、MEMS力センサを用いて、細胞の収縮力を計測した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞の機能や構造については多くの研究が重ねられ、詳細な知見が得られている。特に、蛍光顕微鏡の発達が細胞生物学において果たした役割は計り知れない。本研究は蛍光顕微鏡のような視覚的手段の苦手な部分を補い、細胞接着など、細胞小器官で起こる動的現象を捉えようとするものである。例えば、接着斑のはたらきについての教科書の説明では、細胞と基質が接着している断面図が示されるが、実際には見ることができない。細胞を蛍光染色すれば接着斑が形成されたことはわかるが、基質に接着したかどうかはわからない。細胞接着のダイナミクスをSPRで定量化できれば、そこに介在する生命の原理や物理現象を知ることができる。
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