研究課題/領域番号 |
20K15173
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
川口 昂彦 静岡大学, 工学部, 助教 (30776480)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | エピタキシャル薄膜 / 窒化物 / ワイル磁性 / PLD / 逆ペロブスカイト / トポロジカル物質 / 薄膜 / エピタキシャル / パルスレーザー堆積法 |
研究開始時の研究の概要 |
ワイル反強磁性体は、その極めて小さな残留磁化に反して、大きなホール抵抗を示すという、近年発見された新しい材料である。この材料を応用すれば、高集積・高速の磁気記録素子の実現が可能となる。 研究代表者はごく最近、ビスマス置換マンガンスズ窒化物Mn3(Sn,Bi)Nが室温ワイル反強磁性である可能性を見出した。そこで、本研究では、Mn3(Sn,Bi)Nの基礎研究およびデバイス応用のために、その単結晶状の薄膜を作製し、その特性を詳細に調査することを目的とした。 本研究が実現すれば、新しい材料であるワイル反強磁性体の材料探索に重要な知見を与えるとともに、次世代型の磁気デバイスの実現に与える影響は測り知れない。
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研究成果の概要 |
本研究では、漏れ磁場が小さく、高速応答が可能な「ワイル反強磁性体」の候補材料であるマンガン系窒化物に注目し、パルスレーザー堆積法を用いてMn3(Sn,Bi)N薄膜作製に取り組んだ。その結果、それぞれの組成について、室温近傍にて明瞭な磁性転移を有する単相エピタキシャル薄膜を作製することに成功した。得られた薄膜における異常ホール効果は非常に小さく、基板との熱膨張係数差によって薄膜に生じた格子歪みが磁気特性に大きな影響を与えることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Mn3(Sn,Bi)N単相試料は、粉末などのバルク材料では合成が困難であったため、薄膜化による新規組成の単相試料合成は今後の材料探索において大きな意義を持つ。また、パルスレーザー堆積法を用いたマンガン系窒化物薄膜の研究報告も限られており、その作製条件によって得られる薄膜の傾向を示したという意味でも意義深い。さらにマンガン系窒化物薄膜は、本研究開始当初と比べて、この研究期間中急速に研究報告が増加したことから、本研究は社会的にも大きな波及効果をもたらすことが期待される。
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