研究課題/領域番号 |
20K15176
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 立命館大学 (2021, 2023) 分子科学研究所 (2020) |
研究代表者 |
長谷川 友里 立命館大学, 理工学部, 助教 (60829464)
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研究期間 (年度) |
2022-12-19 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 有機半導体分子膜 / 角度分解光電子分光 / 配向分子膜 / 光電子波数顕微鏡 / 光電子運動量顕微鏡 / 有機半導体分子 / 薄膜構造 / 表面・界面物性 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代の省エネルギーデバイスとして注目される有機半導体分子薄膜では,分子とその周辺との相互作用によって電子状態を変調することが期待される.一方で,弱い相互作用により形成される有機薄膜の構造制御は容易でない.本研究では,基板表面の原子レベルで規定された種々の構造をテンプレートに用い,有機半導体分子薄膜の成長機構を明らかにすることで高配向薄有機膜を実現する.得られた薄膜の光電子イメージングにより電子状態を計測し,相互作用が電子状態に及ぼす影響を明らかにすることで有機薄膜における新規電子状態創出の指針を得ることを目指す.
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研究実績の概要 |
本研究は, [A]分子膜の成長過程を明らかにすることで高配向分子膜を作製し,[B]そのkx-kyおよびE-kマップ(光電子波数マップと総称する)を取得することで,基板と分子,および分子間の相互作用が分子膜の電子状態に及ぼす影響を明らかにすることで新規分子材料の設計指針を得ることを目指す.高配向分子膜の作製は,分子とその周辺との相互作用の電子状態への影響を明らかにすることと,多ドメイン形成の抑制により波数空間における分子軌道からの光電子パターンの重複を減らし,解釈をより容易にすることを目的とする.弱い相互作用からなる分子膜では分子レベルで均一な配向膜の形成と多ドメイン化の抑制を同時に実現する技術はまだ十分に確立されていない. 課題[B]について先行して進んでおり,2020年度には分子科学研究所UVSORに導入された軟X線光電子運動量顕微鏡における成膜や計測条件の取得に努めた.Au(111)基板表面のcoronene分子膜を対象とし,価電子帯の波数マップおよび共鳴光電子分光スペクトルを取得することができた.2021年度はそれらの結果をまとめ,UVSORシンポジウム2021ならびにALC21において発表した(リバイス原稿の査読中).並行して,graphite表面上のpentacene単層膜の低エネルギー光電子分光法による計測結果について,分子-基板間の弱い相互作用が伝導帯の電子状態に及ぼす影響に着目した解析を進め,得られた成果を発表した(学会発表3件).また2021年度には課題[A]を進めるにあたり,超高真空走査トンネル顕微鏡装置において試料作製および計測環境の整備に努めた.
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