研究課題/領域番号 |
20K15182
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
今井 大地 名城大学, 理工学部, 准教授 (20739057)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 窒化物半導体 / 面発光レーザー / AlInN / サブギャップ / 光熱偏向分光法 / 分光エリプソメトリー / 光吸収過程 / 混晶半導体 / 光学定数 / 半導体レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
窒化物半導体を用いたレーザー光源(LD) は紫から緑色で実用化され、光ディスクや材料加工など幅広い分野で利用されており、その動作効率向上や実用波長域の拡大は、様々な分野で更なる技術革新をもたらす可能性をもつ。LDは動作原理上、内部で光を増幅させる必要があり、効率的動作のためには増幅した光の素子内部における損失を防ぐ必要がある。本研究では、窒化物系混晶半導体で光増幅が起きるエネルギー領域(サブギャップ領域)における光の損失を厳密に評価する解析手法の確立と、損失源の解明を目指し、それに基づく低損失光共振器実現の基盤技術開拓を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では主に青・緑色面発光レーザーの光共振器等に応用されているAlInN混晶薄膜において、レーザー駆動時の損失源となり得るバンド端以下のエネルギー領域(サブギャップ領域)における光吸収過程の解析を行った。バンド端近傍の光学定数は分光エリプソメトリーにより解析し、光学定数やバンドギャップを精度良く解析するための最適なモデルを提案した。更にこれと光熱偏向分光法を組み合わせて、AlInN混晶薄膜におけるサブギャップ領域の微小な光吸収過程の観測とそれを引き起こす起源を明らかにした。また吸収係数の定量評価についても見通しがたっている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、素子レベルに高品質な窒化物系混晶半導体薄膜において、サブギャップ領域の微小な光吸収過程とそれを引き起こす起源の解析、さらには吸収係数の定量評価に向けた基盤技術が構築されたことである。将来的には、窒化物系端面発光半導体レーザー(LD)や面発光レーザー(VCSEL)を構成する混晶半導体において、レーザー駆動時に損失を引き起こすサブギャップ領域の物性制御指針を、実験解析に基づき具体的に提示することが可能となると考えている。これにより窒化物系LDやVCSELの高効率・高出力化や動作波長域の拡大による省エネルギーな次世代光素子開発に貢献したい。
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