研究課題/領域番号 |
20K15183
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
庄司 靖 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (20827357)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 量子ドット / 中間バンド型太陽電池 / 量子ナノ構造 / 結晶成長 / 分子線エピタキシー / 太陽電池 / III-V族化合物半導体 |
研究開始時の研究の概要 |
単接合太陽電池の光電変換効率向上を目的として、透過している未利用光を量子ドットで吸収させる方法が提案されている。当該方式では量子ドットで生成されたキャリアを光励起によって取り出すことにより、原理上は元の単接合太陽電池の出力電圧をほぼ維持した状態で、電流値の増大を図ることができる。しかしながら実際に作製されたデバイスでは、光生成されたキャリアが太陽電池構造内を伝導する際に、量子ドットに捕獲されることが問題となっている。本研究ではこの量子ドットによるキャリア捕獲を抑制する構造を検討し、量子ドット太陽電池における再結合損失の抑制および変換効率の改善を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では理論限界効率が60%以上に達する中間バンド型量子ドット太陽電池の実現に向けて、課題の一つとして挙げられている半導体量子ドットによる光生成キャリアの再捕獲を減少させる構造を検討した。格子歪みを利用して形成した半導体量子ドットの上に、3次元状にワイドギャップ障壁層を設けることで当該太陽電池のキャリア収集効率を改善させることに成功した。本成果は、中間バンド型量子ドット太陽電池の高効率化に向けた要素技術の一つを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
持続可能社会に向けて太陽光発電の導入量拡大が期待されている。高効率太陽電池は小面積でも大きな発電量が得られるため、その普及は用途の拡大に繋がり、これまでにない太陽電池の利用法を創出する。本研究は理論上において既存の太陽電池の発電効率を上回る高効率中間バンド型太陽電池の実現に向けた技術を示した。現状では、当該太陽電池の発電効率は低い値に留まっているが、本成果で得られたような要素技術を組み合わせることで高効率化が可能である。また、本成果は量子構造を用いる他の半導体デバイスの高性能化にも有効と考える。
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