研究課題/領域番号 |
20K15187
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
遠藤 護 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (90848003)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 光子数識別器 / 非ガウス型状態 / 量子コンピュータ / 非ガウス型量子状態 / シュレディンガーの猫状態 / 連続量光量子情報処理 / 超伝導ナノストリップ型光子数識別器 / 超伝導ナノストリップ型光子検出器 / 波形パターンマッチング / 量子光学 / 超伝導転移端センサ |
研究開始時の研究の概要 |
光の直交位相振幅に量子情報を載せて処理をする連続量光量子情報処理、誤り訂正可能な万能量子コンピュータを実現しうる有力候補である。しかし、誤り訂正や任意の量子操作を施すために必須であるGKP状態などの非ガウス型状態の生成技術が確立していないという課題が残る。 本研究では理想的な光子数識別器である超伝導転移端センサを開発し、その高性能化を目指す。さらに、光子数識別器を用い、光子数状態やシュレディンガーの猫状態といった量子状態を生成する。これらの状態を生成することは、誤り訂正や任意の量子操作の実現に向けた大きな一歩となる。
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研究成果の概要 |
超伝導ナノストリップ型光子検出器(SNSPD)の信号の立ち上がり部分を詳細に調べることで、従来光子の有無のみしか判別できないとされたSNSPDに光子数識別性能があることを示した。さらに波形解析を行うことで光子数識別性能が向上することも示した。また誤り耐性型光量子コンピュータに不可欠である非ガウス型状態の生成も行い、波長1545 nmの超短光波束に高品質な非ガウス型状態を生成することにも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光量子コンピュータは高速で大規模な量子計算が可能なプラットフォームとして注目されている。その最大の課題は、計算に非線形性を付与するために必要な非ガウス型状態と呼ばれる量子状態を如何にして生成するかである。本研究では生成に必要な光子数識別器を開発した。さらに、高速量子計算に適しているが光子エネルギーの小ささから実現が困難であった通信波長帯での非ガウス型状態の生成に成功した。この研究の延長には誤り耐性型量子コンピュータの実現があり、その学術的・社会的意義は極めて大きい。
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