研究課題/領域番号 |
20K15195
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
望月 健太郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50868768)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ラマン散乱顕微法の測定効率化 / 肝脂肪化の早期検出 / 細胞種の判別 / ラマン散乱顕微鏡 / 撮像高速化 / 細胞・生体組織分析 / 細胞分析 / 高速ラマン散乱顕微法 / 検出スペクトル情報量の最適化 / 細胞・組織イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
ラマン散乱顕微法の撮像高速化に向け、測定目的を達成するために必要最小限なスペクトル情報を測定条件に反映させ、撮像速度を従来法よりも3桁以上向上させる。生体試料の各構成物質や薬剤などの検出において本質的に重要なスペクトル情報を探索した上で、多重照明型ラマン散乱顕微法における測定条件を可能な限り最適化することで撮像高速化を図る。生体試料内における異物検出や薬物応答など、ラマン散乱顕微法の特性を生かした細胞分析における高スループット化へと繋げる。
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研究成果の概要 |
本研究では、生物試料分析に有用なラマン散乱顕微法における測定効率を改善するべく、分析対象に応じて検出対象とするラマンスペクトル情報を選定し、測定高速化への寄与を試みた。 肝脂肪化早期モデル試料を対象とした組織状態解析ではレチノールと脂質に帰属されるラマンバンドの強度変化から早期の脂肪化を検出できること、また複数種のヒト甲状腺細胞株を対象とした解析では還元型ヘムと脂質に帰属されるラマンバンドの強度対比から各細胞種を区別できる可能性が示された。 一部の成果につき国内外の学会および論文で発表を行い、また検出スペクトル情報を限定することで測定高速化を実現する多焦点ラマン散乱顕微鏡の構築も進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、肝脂肪化早期モデルを対象とした組織状態解析とヒト甲状腺細胞株を対象とした細胞分析において有効なスペクトル情報を選別することにより、ラマン散乱顕微法による生物試料解析において測定を効率化できる可能性を示した点に学術的意義がある。 また、その達成はラマン散乱顕微法を活用した医学生物学研究の促進に寄与するものと期待され、加えて、HE染色切片観察などの従来の病理学的診断手法では困難であった肝脂肪化の早期検出にラマン散乱顕微法が有用である可能性を示した点に社会的意義がある。
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