研究課題/領域番号 |
20K15196
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2021-2022) 大阪府立大学 (2020) |
研究代表者 |
田村 守 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (30793583)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光圧 / 光発熱 / 流体 / 数値計算 / 光渦 / レーザー加工 / 光マニピュレーション / シミュレーション / 数値流体力学 / 電磁場解析 / 数値解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は「光圧と光発熱による流体制御の理論的枠組の構築と、応用に向けた指導原理の獲得」である。光ピンセットの主役はトラップした物質であり、周囲の溶媒の運動は無視される。しかし、光による物質移動は摩擦抵抗の反作用によって溶媒を駆動する。また、流体であろうと光を散乱・吸収すれば光圧が作用する。更に、光照射に伴う発熱が引き起こす対流は、光操作を妨げるが、最近ではその対流を物質輸送や集積に利用する研究も盛んである。その中で本研究では、従来の熱流体の支配方程式に光圧と光発熱に由来する項を加えた独自の理論的枠組を基に、理論解析の立場から光による流体制御の限界を解明し、物質操作技術の新展開を切り拓く。
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研究成果の概要 |
本研究では、光圧と光発熱による流体制御の理論的枠組の構築と、応用に向けた指導原理の獲得を目指した。光圧で駆動された流体の時間発展を評価するために、数値流体力学と電磁気学を融合した計算手法を構築し、アゾポリマーや溶融金属における質量輸送現象における解析結果を得てきた。更には、熱流体力学のレーザー加工の計算手法を用いて、円環状の強度分布に由来したマランゴニ効果が、光渦パルスによる加工時の突起の形成に寄与しうることを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では特に、自由界面を持つ流体を光圧や光熱で駆動する状況に関し、その理論解析の手法論を構築し、アゾポリマーや光渦によるレーザー加工など、過去に報告されてきた実験に対応する結果を得るとともに、その駆動機構の解明にも成功した。構築した手法論に基づき、今後、特定の実験系に限らず、流体の光操作の可能性をより広範に探索可能である。これは、新奇光操作技術の発見・新分野の拡大に繋がり、ひいては光を用いたナノ加工や、生体物質の選別や検出など、様々な応用技術への波及効果が期待される。
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