研究課題/領域番号 |
20K15198
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
五月女 真人 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (40783999)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | シフト電流 / 光電流 / 太陽電池 / テラヘルツ / 超高速分光 / 半導体 / 中赤外 / フェムト秒 / 半金属 / ワイル半金属 |
研究開始時の研究の概要 |
中赤外(波長3-15μm)の光検出器は、室温の熱放射がこの帯域であるために障害物・人感センサーなど多くの応用が期待される。近年、フェルミ面に2つのDirac点を持つWeyl半金属と呼ばれる物質群で中赤外域に敏感な光電流が発見されはじめた。Weyl半金属は直線状のバンド構造のために移動度も高く、室温動作赤外センサーに有望な物質群である。本研究では、フェムト秒レーザー励起での過渡的光電流からアンテナ放射されるテラヘルツ電場波形を測定することでサブピコ秒光電流ダイナミクスを観測し、Weyl半金属における光電流の量子力学的起源やその回路電流との関連を明らかにする。
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研究成果の概要 |
光吸収に伴って電流が生じる光電流は太陽電池や光検出器などに広く用いられている物理現象である。最近、反転対称性の破れた系では、電子雲がコヒーレントに瞬時に伝搬する「シフト電流」という光電流が、新型太陽電池の基礎になりうると理論が提唱されはじめた。本研究では、フェムト秒パルスレーザー照射による光電流からアンテナ放射される電磁波(テラヘルツ帯)を観測・解析することによって、この量子力学的光電流である「シフト電流」の超高速ダイナミクスやその大きさを評価した。高い光電変換効率が提唱されはじめた物質群を対象に、幅広い励起波長帯でテラヘルツ波発生を観測し、光電流の超高速ダイナミクスを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シフト電流のモデル物質として、化合物半導体CdSにおける励起子共鳴励起でのシフト電流ダイナミクスを観測することに成功した。シフト電流の励起光子エネルギー依存性に励起子共鳴でピークが見られ、その振幅がシフト電流の理論と定量的に一致することを見出した初めての研究である。将来の光電変換デバイス(太陽電池・光検出器など)の基本原理となる現象について電極などの影響を受けずに観測できることを示した。
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