研究課題/領域番号 |
20K15199
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
山下 大喜 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 訪問研究員 (40858099)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / フォトニック結晶 / シリコンフォトニクス / 微小共振器 / 単一光子源 / 光物性 / 二次元材料 / ナノマイクロ物理 / ナノチューブ・グラフェン / ナノ構造物性 / ナノ物性制御 |
研究開始時の研究の概要 |
半導体単層カーボンナノチューブ(CNT)は,量子情報通信,計測,計算といったさまざまな技術領域にとって重要な構成要素である単一光子源の候補として期待されている.このCNT単一光子源の応用性を高めるために,CNTから発生した単一光子を高効率に光集積回路へ取り込むことは重要である.本研究では,そのようなCNT単一光子源の高効率光取り出しが可能なデバイスの作製とその評価を行う.CNTが持つ,清純なCNTであれば全て単一光子源として利用できる点,シリコン基板上に成長可能で,シリコンフォトニクスとの親和性が高い点,これら2つの特徴を活かすことで,シリコンチップ上に集積された,室温で動作する通信波長帯の単一光子源の実現を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では,カーボンナノチューブとシリコンフォトニクスを融合させたデバイスの最適化に取り組んだ.フォトニック結晶共振器の設計やQ値,共振器へのナノチューブの結合手法の影響を検討し,共振器と結合したナノチューブからの発光のみを導波路へ誘導して検出することに成功した.また,基板接触による非輻射再結合の低減を試みる手法を検討した.ナノチューブを高台に配置することで発光強度を維持し,共振器に結合したナノチューブからの単一光子生成を実証した.さらに,二次元材料をスペーサーとしてナノチューブと共振器の基板に挟むことで,ほとんと非輻射再結合の増加のないデバイス作製手法を確立した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カーボンナノチューブとシリコンフォトニクスを融合させたデバイスの作製に取り組み,共振器と結合して増強されたナノチューブからの発光を導波路に取り込むことに成功し,高効率光取り出しが可能なデバイスを実証できた.このような導波路結合光は、シリコン基板上に集積された様々な光部品や,光ファイバに容易に接続することができ,単一カーボンナノチューブ光デバイスの応用性を広げることができる.また,ナノチューブの基板集積時に問題になる基板接触による発光減少を回避する方法を提案し,ナノチューブ-シリコンフォトニクス集積デバイスにおける有用性を実証できた.
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