研究課題/領域番号 |
20K15202
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
伊藤 辰也 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 福島研究開発部門 福島研究開発拠点 廃炉環境国際共同研究センター, 任期付研究員 (20757653)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 高レベル放射性廃液 / 廃棄物資源化 / ロジウム / ゲル / 吸着 / 原子力バックエンド / 高吸水性ゲル |
研究開始時の研究の概要 |
核燃料再処理に伴い発生する高レベル放射性廃液には、排ガス用触媒等として需要が高く、高価な希少金属であるロジウム(Rh)が含まれており、これを分離回収して資源化することが期待されている。しかし、硝酸水溶液中のRhに結合している水分子の置換は長時間に及ぶため、選択的かつ迅速な分離法は確立されていない。そこで本研究では、水と相分離しつつも系内に水を許容できる分離媒体として高吸水性ゲルを用い、その一部にRhに親和性の高い構造を組み込むことで選択性を発現させることを着想し、当該の新規高吸水性Rh吸着ゲルの合成、Rh吸着特性の評価、及び迅速分離に適したシステムの検討を通じて、Rhの速分離法の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
高レベル放射性廃液に含まれているロジウム(Rh)を始めとした有用金属は分離回収による資源化が期待される。特に、Rhは触媒としての需要が高く非常に高価であるため、放射能の減衰の後に準国産資源として利用する考えもある。一方でRhは配位子交換が不活性であるため分離が困難であるが、結合水ごと相間を移動させて分離することを着想し、水を許容できる分離媒体として高吸水性ゲルに着目した。 本研究では白金族元素に親和性の高い硫黄含有ジアミド構造を有するゲルモノマー及びそれを用いた高吸水性Rh吸着ゲルを合成し、そのゲルがRhに対して吸着性を有し、硫黄含有ジアミド修飾シリカより吸着速度が早い可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子力発電(核燃料サイクル)から排出される高レベル放射性廃棄物中には有用な希少元素であるロジウム(Rh)が含まれている。Rhは自動車用などの触媒材料として非常に重要であり、その供給を海外に依存している我が国にとって、国内の資源開発やリサイクルは重要な課題である。よって、高レベル放射性廃液からRhを回収することが可能ならば、廃棄物の資源化が達成され、資源セキュリティの向上に一役買うことができる。 また、これまでの抽出剤や吸着材で困難だったRhの迅速分離に対して、高吸水性ゲルという分離媒体の利用を検討し、その可能性を示すことができた。今後のゲルの改良によってRh吸着速度の向上が望める。
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