研究課題/領域番号 |
20K15204
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
QIN Haibo 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (60867969)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | XAFS / TES / 環境化学 / 放射性核種 / 同位体比 / XAFS法 |
研究開始時の研究の概要 |
福島第一原発事故による放射性核種の環境挙動の解明などに関連し、様々な系での放射性核種の挙動を支配する化学素過程の解明に対する社会的要請は年々高まっている。こうした研究で重要な元素化学種解明には、放射光を用いたXAFS法の適用が有効だが、濃度の高い他元素の干渉により分析困難な場合が多い。本研究では、高エネルギー分解能の超伝導転移端検出器を用い、これらの影響なくスペクトルが得られるTES-XAFS法を硬X線領域のXAFSに世界で初めて適用。ウラン鉱床周辺試料や放射性セシウム濃集粒子などに含まれるCs、U、Seに適用し、化学素過程を含めた試料の生成・移行過程の理解、元素の環境挙動の予測を研究する。
|
研究成果の概要 |
放射性廃棄物の地層処分などと関係して環境中での挙動が注目される元素として、ウランやセレンがある。これらの元素は、環境中での濃度が低く、また価数が変化することでその挙動が大きく変化するため、XAFS法などを用いた化学種の解明が重要である。特に微量な場合には蛍光XAFS法を用いるのが常套手段であるが、その場合でも他元素との干渉などが生じ、化学種の解明が困難な場合もある。本研究では、超伝導転移端検出器(TES)などを用いることで、蛍光X線を高い分解能で分離し微量元素の化学種を推定することで、その環境挙動を推定することに成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球温暖化や化石燃料の枯渇などにより、原子力発電への依存は依然として継続している。この発電のボトルネックとしては、放射性廃棄物の地層処分の安全な実施があり、そのための基礎研究として、地層中の放射性核種の挙動は重要な研究対象である。また既に放射性廃棄物は世界的に多量に蓄積されており、その安全な処分にもこの研究は重要である。一方、これらの元素は微量でも健康影響があるため、その挙動予測には微量の化学種分析の確立が重要となる。本研究で開発した高感度なXAFS法の利用は、世界的にも最先端の研究内容であり、上記の放射性廃棄物の挙動評価に加えて、環境化学・資源化学の幅広い分野の発展に大きく貢献する。
|