研究課題/領域番号 |
20K15208
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
川本 靖子 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (70824720)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | LHD / ドップラー拡がり / 可視分光 / He / NBI / ドップラー広がり / 高エネルギー粒子 / 重水素プラズマ / 核反応 |
研究開始時の研究の概要 |
核融合炉の運転を維持するためには、中性粒子ビーム入射(NBI)などの外部加熱や核反応によって生成される”高エネルギー粒子”による内部加熱が必要不可欠であり、その挙動を把握する必要がある。本研究では、重水素プラズマを対象として、“核反応を利用した高エネルギー粒子の計測手法”を新たに確立する。具体的には、重水素プラズマで発生する核反応生成物3Heから放出される発光スペクトルのドップラーシフトを測定することで高エネルギー粒子の計測をする。核融合科学研究所の大型ヘリカル装置LHD(Large Helical Device)重水素実験を利用して本手法の検証・開発を行う。
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研究実績の概要 |
核融合炉の運転を維持するためには、中性粒子ビーム入射(NBI)などの外部加熱や核反応によって生成される“高エネルギー粒子”による内部加熱が必要不可欠であり、その挙動を把握する必要がある。本研究では、重水素プラズマを対象として、“核反応を利用した高エネルギー粒子の計測手法”を新たに確立する。具体的には、重水素プラズマで発生する核反応生成物3HEから放出される発光スペクトルのドップラー拡がりを測定することで高エネルギー粒子の計測をする。核融合科学研究所の大型ヘリカル装置LHD(LARGE HELICAL DEVICE)重水素実験を利用して本手法の検証・開発を行う。高エネルギー粒子は、核融合プラズマのエネルギーバランスに大きな影響を及ぼすため、核融合炉の成立性に関わる重要な因子であり、その解析・実験的検証を行うことは、核融合炉の実現に対して大きな貢献となる。また、分光計測を利用したプラズマ診断に新たな可能性を提示することができる。 これまでにLHD実験におけるHEビームのドップラーシフト計測実験の実行可能性及び研究に対するプラズマパラメータの影響を調査することを目的とした検討を計算で示しており、代表者が所属する核融合科学研究所の大型ヘリカル装置LHDで22サイクル実験から実施されているHEビーム入射実験において本研究の模擬実験としてデータを収集している。入射したHEビームは核反応生成物である3HEよりエネルギーが小さいため、ドップラー拡がりは小さいが、荷電交換法を応用したFast-IonD-Alphaのシステムを用いた計測によってHeのビーム成分を観測することに成功している。これを基に、重水素プラズマ実験で蓄積した“核反応によって得られるHEのドップラー成分を示すスペクトル”を評価し、実現可能性について模索する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、計画初年度に本計測手法のための実験と解析モデルの構築、2~3年目にLHD重水素プラズマにおいて重水素NBIを入射した際の重陽子の高エネルギー粒子を計測、3~4年目に実験の解析と学会発表を予定していた。計画2年目及び3年目にLHDで実施されたHeビーム入射を利用し、本研究の一環として”Heビーム入射を本手法の3Heと模擬した高エネルギー粒子のドップラー拡がり観測実験を実施し、計画4年目に、その解析と模擬実験を基に本研究で着目している3Heのドップラーシフト拡がり成分の観測に対する強度レベルの評価をBFPを用いて進めた。これについて重水素プラズマにおいて重水素NBIを入射した際の重陽子の高エネルギー粒子観測実験の解析結果とともにHeビーム模擬実験の解析結果を国内外の学会での発表を計画4年目に予定していたが、産前産後の休暇のため学会発表等の成果報告は未実施である。
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今後の研究の推進方策 |
計画4年目に予定していた学会での成果発表について、産前産後の休暇によって未実施であるため、延長した計画5年目に行う。また、研究期間内に実施された有識者との議論の中で、JT60SAで実験が検討されているDDプラズマにおける高エネルギー粒子計測に対して、本計測手法の有効性が示唆されたため、当該年度前期に解析をまとめて、この結果も延長した計画5年目に学会発表を行う。
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