研究課題/領域番号 |
20K15210
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2022-2023) 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (2020-2021) |
研究代表者 |
金子 政志 大阪大学, 大学院理学研究科, 講師 (50781697)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | DFT計算 / 白金族元素 / 溶媒抽出 / 計算化学 / 密度汎関数法 / 錯体化学 / 核分裂生成物 / 元素分離 / 配位結合 / 安定度定数 / メスバウアー分光法 / 配位子場解析 |
研究開始時の研究の概要 |
高レベル放射性廃液の減容・資源化に向けて、核分裂生成物として含まれる白金族元素の錯体構造予測・溶媒抽出反応シミュレーションを行う。異なる錯体構造的特徴を有する白金族元素の幾何・電子構造計算に対するベンチマーク研究を行い、硝酸溶液中における安定な白金族元素の錯体種の予測する。最終的には、配位型/イオン対型抽出反応をモデル化し、白金族元素の溶媒抽出分離における分配挙動の予測を目指す。
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研究成果の概要 |
高レベル放射性廃液中に核分裂生成物として含まれる白金族元素の錯体構造及び錯生成反応予測に基づいて、溶媒抽出反応のシミュレーションを目指し、研究を行った。まず、白金族錯体の配メスバウアー異性体シフト報告値を用いて、DFT計算における交換・相関汎関数のベンチマークを行い、その結果を用いて、Ru, Rh, Pdイオンと硝酸イオン・塩化物イオン・配位子との錯体モデリングを行い、実験値との比較により、そのモデルの妥当性を確認した。さらには、Pdイオンのイオン会合型/配位型抽出の類型をDFT計算により予測可能であることが見いだされ、白金族元素の溶媒抽出のDFTモデリングについて新たな指針を与えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高レベル放射性廃液からの白金族元素回収技術の開発は、ガラス固化工程の阻害要因の低減や、有価金属としての利用に繋がる。白金族元素の溶媒抽出分離を考える場合、白金族元素の水溶液中での配位構造の違いが安定性や反応性に起因するが、構造の多様性のため、系統的な議論は困難である。本研究では、計算化学手法を用いてRu, Rh, Pdの溶媒抽出反応における錯体モデリングを行う上で、メスバウアー分光パラメータを用いたDFTベンチマークや、硝酸中における溶存状態の系統的な研究を行い、さらには、Pdにおいて配位型/イオン会合型抽出反応の予測可能性を検討した。
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