研究課題/領域番号 |
20K15213
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
田辺 鴻典 科学警察研究所, 法科学第二部, 研究員 (60822070)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 核セキュリティ / チェレンコフ検出器 / 核物質 / 中性子 / 放射線計測 |
研究開始時の研究の概要 |
核セキュリティ及び放射性廃棄物の計量管理の分野において、核物質の非破壊測定(NDA)技術の需要が世界的に高まっている。アクティブ中性子法は、隠蔽された核物質の検知に最適なNDA手法の1つであるが、コスト面と可搬性に大きな課題がある。本研究では、アクティブ中性子法に適したチェレンコフ中性子検出器を新規に開発することで、非常に低コストかつ可搬性のある核物質NDAシステムの実現を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、回転照射法用の中性子検出器として、新たに水チェレンコフ中性子検出器(WCND: Water Cherenkov Neutron Detector)の開発を行うことで、非常に低コストかつ可搬性のある核物質非破壊測定システムを実現することである。最大のボトルネックとなるガンマ線との弁別には、波高弁別法を採用した。結果として、主要なバックグラウンドとなる2.223 MeVガンマ線を十分に抑制した上で、従来のHe-3検出器に対して、高感度(4倍以上)かつ低コスト(1/15以下)な中性子検出を実証した。回転照射装置と組み合わせた実験により、グラム量の核物質の現場検知も実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで中性子検出器の候補にすらなり得なかった水チェレンコフ中性子検出器(WCND)について、実測定環境下において、欠点であったガンマ線を抑制した上での低コストかつ高感度な中性子検出を実現し、回転照射法への適用により、隠匿された核物質の現場検知という核セキュリティ上の喫緊課題に対する技術的解決策を実証しており、工学及び工業上貢献するところが大きい。本研究で実現した核物質検知装置の導入により、実効性の高い水際対策が可能になるとともに、WCNDは本用途に限らず、可搬性のある低コストかつ高感度な中性子検出器として広範囲への活用が今後期待される。
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