研究課題/領域番号 |
20K15224
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
水野 雄太 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (10846348)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 化学反応動力学 / 相空間幾何学 / 非統計的化学反応 / Voronoi分割 / 教師あり主成分分析 / Lie正準変換摂動論 / 第一原理分子動力学法 / 化学反応ダイナミクス / 化学反応ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
化学反応経路図は,反応機構の解明や反応速度・選択性の予測に不可欠な学術的基盤である.しかし,従来の反応経路図の作成法には,化学反応における分子の運動の効果を考慮していないという問題点がある.そこで本研究では,分子の運動を幾何学的観点から捉える数学的理論である相空間幾何学に基づき,分子の運動の効果も考慮した反応経路図自動作成プログラムを開発する.これにより,実在の化学反応の動力学的反応機構の系統的解明と反応速度・選択性の系統的予測のための学術的基盤の構築を目指す.
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研究成果の概要 |
我々は,動力学効果を考慮した反応経路図の計算機による自動作成を目指し,相空間幾何学に基づくアルゴリズムを開発した.具体的には,動力学的反応経路図の作成の基礎となるReactive Islandとよばれる相空間構造を分子動力学シミュレーションを利用して効率的に計算するために,(1)Voronoi分割を用いたReactive Islandの効率的計算アルゴリズムや(2)教師あり主成分分析を用いた反応性クラスの低次元射影アルゴリズムなどを開発した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動力学効果の考慮が不可欠な化学反応の報告例は,有機化学反応から生体内反応まで多数ある.これらの化学反応の反応機構は,分子動力学シミュレーションの結果から発見的に解明されてきた.しかし,このような発見的研究法では,重要な反応経路を見落とす可能性がある,反応速度の予測が困難である,などの問題がある.本研究で開発したアルゴリズムは,動力学的反応経路図を作成するための要素技術であり,動力学効果を考慮した化学反応の系統的・予測的研究に資すると期待される.
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