研究課題/領域番号 |
20K15230
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西本 佳央 京都大学, 理学研究科, 助教 (20756811)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 解析的エネルギー微分 / 計算化学 / 量子化学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高精度量子化学計算手法の一つである多参照摂動理論を用いて、光化学反応過程に重要と考えられている円錐交差の探索を可能にすることを目的としている。この研究が達成できれば、高精度な量子化学計算手法を通して蛍光を制御する指針を提供できるようになる可能性がある。また、他の理論開発や機械学習を利用する研究でベンチマークとなる結果を提供できるようにもなると考えられる。
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研究実績の概要 |
本研究では、研究期間全体で多参照摂動理論のエネルギー勾配の実現や、円錐交差の探索を可能にすることを目的としていた。 これまでに完全活性空間を用いた二次の摂動理論(CASPT2)と、その制限活性空間を用いた手法(RASPT2)、そしてそれらを多状態に拡張したMS-CASPT2とそれらの変種(XMS-CASPT2, XDW-CASPT2, RMS-CASPT2)の解析的エネルギー微分の式を導出をして、OpenMolcasと呼ばれる量子化学計算パッケージに実装をした。これらの実装はOpenMolcasのマスターブランチで公開されている。しかし、CASPT2法はある程度信頼できる方法ではあるが、それでも一般的に励起エネルギーを過小評価することが知られている。そこで、この過小評価を解決しつつ構造最適化が行えるように、イオン化ポテンシャル-電子親和力(IPEA)シフトを用いた場合のCASPT2法(CASPT2-IPEA)の解析的エネルギー微分の式の導出と実装を行った。 IPEAシフトによりCASPT2法に備わっている活性空間の軌道回転に対してエネルギーが不変であるという性質が壊れてしまうことが分かった。このため、CASPT2-IPEAが記述するポテンシャルエネルギー面に不連続点が見られることが予想されたが、実際にポテンシャルエネルギー面を描くと大きな問題がないことが分かり、安定構造や円錐交差の探索に用いることができると分かった。そして、結果としては励起エネルギーが0.1から0.4 eV程度大きくなり、実験値やより高精度な計算との一致が改善した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画では、円錐交差の探索を可能にして応用計算を行う計画をしていた。これまでにどちらもある程度達成されており、本研究課題はおおむね順調に進展していると言って良い。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題での当初の研究計画は一応遂行されたが、来年度はプログラムの効率を上げて、分子動力学シミュレーションを可能にするなど、より有用なプログラムの開発や応用計算を行いたい。
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