研究課題/領域番号 |
20K15231
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
土持 崇嗣 神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (40763933)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 量子化学 / 電子状態理論 / 摂動論 / スピン射影 / 一重項励起子分裂 / 太陽光発電 / 波動関数理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では新規な励起状態計算手法を開発・適用することにより、有機太陽電池における一重項励起子分裂のメカニズムについての詳細な知見を得ることを目的とする。反応機構に関わる重要な状態について選択的に高精度計算を行い、これらを有効的に組み合わせるボトムアップ型アプローチを取る。本研究によって二量体モデルを超えた大規模な多量体量子シミュレーションを実行することが可能になり、実在系におけるSFの機構がより具体的に明らかになると期待できる。
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研究成果の概要 |
分子内で起こる励起状態は非常に多岐に渡るが、光化学ではこれらの一部が重要な役割を果たす。本研究では光化学プロセスで必要な状態のみを直接的に高精度計算することによって対象とする化学的描像をクリアにし、さらにこれらを基底として用いた有効ハミルトニアンを対角化することで、複雑な励起状態を断熱状態として記述する手法を開発した。特に、電子スピンを正確に取扱う理論を構築することによって、スピン混入した非物理的な状態を取り除き、実験との対応関係が明確になるように工夫した。本研究では、これらを発展させ、量子コンピュータを用いた励起状態計算アルゴリズムの開発も行い、量子計算機の光化学分野応用への基盤を整えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子内で起こる電子の励起状態をシミュレーションによって正確に追跡することにより、太陽光発電や人工光合成、あるいは光による異性化反応などの機構を解明することができる。本研究で開発したアプローチは計算コストと計算精度の両立を目指したものであり、これらを駆使することで多様な光化学シミュレーションを実行可能にすると考えられる。
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